シリア難民が急増も、アサド大統領は再選に立候補か?

2013.10.2


 昨日は記事を更新できずにすみませんでした。今日、シリア関連の記事をまとめて掲載します。

 alarabiya.netによれば、ドイツ政府は月曜日、2011年まで武器化できる化学物質を、かつて知られていたよりも多く、シリアに輸出していたことを認めました。

 経済省が公表したデータは、ドイツの企業がが1998年〜2011年の間に、軍民両方に使える化学物質360トンをシリアに輸出したことを示しました。経済省は2011年4月までに承認した化学物質が武器に使われた証拠はないと主張しました。「入手できた情報すべてを広範囲にチェックした後、商品は私企業により、民生目的に使われたと仮定できます」と経済省の声明は言いました。経済省は輸出を行った企業名は言いませんでしたが、出荷はシリアへの化学物質の輸出に関する制裁が課された2011年5月から止まっていると言いました。

 2週間前、2002〜2006年に、軍民両方に使える総量100トン以上の出荷を許可する輸出許可が与えられたことが認められました。経済省筋は、化学物質は金属の表面処理、飲料水のフッ素化、歯磨き剤の製造に使えると言いました。

 BBCによれば、シリアのワリド・ミュアレム外務大臣(Walid Muallem)は、83ヶ国以上の国から来たテロリストがシリア全土で兵士と民間人を殺していると言いました。

 国連総会での演説で、ミュアレム外務大臣はこの侵略を9/11のニューヨークへの攻撃と比較しました。一方、国連はシリアで続く紛争が国際的な安定性への脅威だと警告しました。シリアの隣国は大量の難民流入が彼らの資源に重圧をかけていると言いました。

 国連での演説で、ミュアレム大臣はシリアで戦うテロリストを支援する「よく知られた国」と、安保理の委任のない露骨な外部の軍事侵略の脅威を非難しました。彼は、シリアは繰り返し政治的解決を受け入れてきたのだから、彼が反政府派に化学兵器を供給すると非難する国々が同様に約束を守らなければならないと言いました。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、シリア難民の数がこの地域全体の政治的、社会的な結合を脅かしていると警告してきました。UNHCRチーフ、アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)は、ジュネーブの会議に「主には隣国にだけ負わされるので重大です」と言いました。彼は国際社会はシリア難民の容赦ない殺到を保護する費用を共有するために、より強い処置を実施しなければならないと言いました。

 イラクのホシャー・ジバリ外務大臣(Foreign Minister Hoshyar Zebari)は、9月中旬から240,000人以上のシリア難民がイラクのクルディスタンに到着し、利用できる資源と地元経済に大きな重荷を生んだと言いました。難民の数は2013年末までに350,000人になるかもしれず、冬が近づくにつれて、「我々は国際社会からの増やされた支援を必要とする」と彼は言いました。

 ヨルダンのナセル・ジュダ外務大臣(Nasser Judeh)は、資源と公共サービスへの圧迫は耐えられないレベルに達し、ヨルダン人がこの危機の結果として支払った対価は前例がないと言いました。「受け入れ側のコミュニティの復元力は劇的に蝕まれ、世論は変化しています」と彼は言いました。

 トルコのアーメト・デビュトル外務大臣(Foreign Minister Ahmet Davutoglu)は、国際社会は人道危機への対処に失敗し、この無意味な暴力に終止符を打つために、効果的な人道的対応を提供できなかったと言いました。

 レバノンは対処するための資金、住宅、学校、病院がなく、ヨルダンとトルコはそれぞれ約500,000人の難民を持ち、彼らを世話するために少なくとも20億ドルを費やしたと考えられています。

 44億ドルのシリア難民のための国連の資金呼び掛けは50%が供給されただけで、シリア人の移住のための西欧諸国への要請にはわずかな返答しかありません。イギリスとアメリカは今のところ受け入れておらず、ドイツは5,000人、オーストリアは500人を受け入れるでしょう。

 alarabiya.netによれば、グテレス弁務官は火曜日に放送されたインタビューで、シリア難民の数が急速に増えていると言いました。

 今週初めの時点で、210万人の難民登録されたシリア難民がレバノン、ヨルダン、トルコに入国しました。「毎日3000〜5000人の新しい難民が越境していて、いまは比較的安定していますが、これは戦争が進行していること、紛争が破壊を生んでいることを示します」「多くは暴力自体から逃げ、多くは医療も受けられず、学校は閉校され、日常生活に不可欠なものが存在しないために逃げており、だから人々は逃げなければならないのです」とグテレス弁務官は言いました。

 弁務官事務所の財政が増加する隣国への難民流入に耐えられるかと尋ねられて、グテレス弁務官は国連が2013年に要請した支援の半分以下だと言いました。「対応計画に関して、85の国連機関、NGO、赤十字・赤新月社2013年の支援のために要請したものの中で、我々が求めたものの43%を受け取りました」「大きなギャップがあると感じると思いますが、適切な状態で暮らせない難民がいるのです。彼らはシェルターがありません。彼らはテントにいたり、20〜30家族が倉庫で暮らしていることもあります」「(難民にとって)とても劇的な場面です。戦闘、爆撃、家族が殺される国から逃げます。安全になった時、巨大な貧困と共に生きるのです」。「レバノンには現在、760,000人以上の難民がいます。レバノンにいるその他のシリア人を数えれば、恐らく、20〜25%でしょう。これがアメリカなら、5700万人が入国したことになります。アメリカが2年間で5700万人の入国を受け入れるのを想像できますか?」。「これは我々の心を悲しませ、より多くの国際支援が行われるよう、我々に要請させることなのです」「これはもうひとつの危機というだけではありません。これは我々が経験した、いうなれば、ルワンダ大虐殺以降、最大の人道危機です。

 alarabiya.netによれば、シリアのオムラン・アル・ゾウビ情報大臣(Information Minister Omran al-Zohbi)は火曜日、アサド大統領は在職したままであり、来年の再選に立候補することを決める権利を持っていると言いました。

 alarabiya.netによれば、11月中旬にシリアの和平会談が行われるかは不透明です。

 シリア特使のラダハル・ブラヒミ氏(Lakhdar Brahimi)は、11月中旬の目標日は100%確実ではないと言い、反政府軍の不統一をあげました。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣(Foreign Minister Sergei Lavrov)は「最近まで、我々は西欧のパートナー国に期待していました。彼らは彼らは反政府派を会議に連れてくることを引き受けましたが、極めて早くにはできなかったのです。しかし、彼らは早くやることはできます。私は彼らが11月中旬までにそうできるかは分かりません」と言いました。

 国連安保理は会議を11月中旬に開催したいとしています。ラブロフ大臣は、過激派と聖戦主義者が彼らの立場を強化しているから、会議はすぐに組織されなければならないと言いました。

 ロシアとシリア両政府が反政府派が化学兵器を使ったと言う、アレッポ郊外の現場を調べていないことを示した後で、ラブロフ大臣は国連の化学兵器派遣団の完璧さに疑問も示しました。「派遣団は最近(シリアへ)戻り、すでに作業を終え、ニューヨークに戻っているところだと発表しました」とラブロフ大臣は言いました。「私が理解する範囲では、彼らはダマスカス近くで化学兵器が使われたと主張された場所をさらに数カ所調べました。前回と同じく、派遣団は3月19日に化学兵器が使われた事件が起きたアレッポ郊外へは行っていません」。

 ロシアの専門家は今年早く現場へ行き、後にロシアの化学兵器禁止機関に認証された研究所で分析したサンプルを採取したと、ロシアの国連特使は以前に言いました。現場は国連委員会に負託された範囲内にあります。「派遣団が初期の負託で指定された現場すべてを訪問できないことを考えれば、我々は派遣団の報告書が完全か不完全かを理解しています」。


 記事は一部を紹介しました。

 フッ素はサリンを製造する段階で必要になる物質です。サリンの最終前駆体、メチルホスホン酸ジフルオリドを作るために、メチルホスホン酸ジメチルとメチルホスホン酸ジクロライドを合成する際に用います。しかし、記事に書いてあるように、他の用途も多く、歯磨きにも含まれていることがある物質です。なので、ドイツ政府としては、化学兵器に使われたという証拠が見つからない限りは、証拠がないと言い続けるでしょう。イギリス政府も先月、フッ素をシリアに輸出していたことを認めています。

 シリア難民の急増は、西欧諸国の軍事介入が留保されたことで、さらに悪化することが確実になりました。数字はどんどん悪化することが確実になりました。米議会は、軍事介入を否決すると同時に、シリア難民対策費の支出を決めるべきだったのに、何もしていません。こうした国際社会の怠慢は批判されなければなりません。安倍政権は金を出したものの、今後増えると考えられる、民主化を求める内戦に対処するために、国連に特別機関を設けるなどの提案を出す気もないようです。

 しかし、はっきりしているのは、これまでに培ってきた、各国の軍事戦略は、国権を守るためだけのものであり、この種の紛争への対処には不適切だということです。国家戦略から軍事上の戦術まで、新しいものが創設されるべき時に来ています。


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