シリアの反政府派が政権との対話を要請

2013.1.31


 alarabiya.netによると、シリアの反政府派の指導者、モアズ・アル・カティブ(Moaz al-Khatib)は水曜日に、拘留者の解放を前提として、アサド政権と対話する用意があると言いました。

 「私はカイロ、チュニス、イスタンブールでシリア政府と直接的対話をする準備があると発表します」とカティブは自分のフェイスページで言い、追放されたシリア国民のパスポートが更新されるという別の条件にも言及しました。

 カティブの発表は、危機を終わらせなければ、シリアがイスラム急進派の手に落ちるかも知れないという国際的な警告の最中に出されました。

 フランスのローラン・ファビウス外務大臣(Laurent Fabius)は、反政府派の支援者が反乱を助けるためにより行動しないと、シリアがイスラム急進派グループの手に落ちる危険があると警告しました。「国家と社会の崩壊に直面して、我々がなすべきことをしないなら、イスラム主義者のグループが地域を手にれる危険があります」「我々は革命を平和的で民主的な抵抗を武装勢力の紛争へ変質させることはできません」。


 記事は一部を紹介しました。

 イスラム過激派が自由シリア軍に比較してどれだけいるのかが分からないのですが、重要な地域を支配していることは分かっています。彼らがアレッポとホムスの中間地点でシリア軍の基地を奪取する成果をあげていること、シリア国内にイスラム国家を建設すると主張していることは、懸念材料ではありました。私は当初それほど心配していませんでしたが、最近、その勢力が拡大している点は少々疑問に感じていました。それでも、フランスなどが心配するほどにまで成長しているとは思えませんでした。この見解は少々楽観的すぎたのかも知れません。

 イスラム過激派の問題に加え、難民問題を解決すべき時期に来ています。国内と国外に大量の難民がおり、これらの生活基盤を元に戻さないことには、シリアは本当に崩壊してしまいます。今年の冬の内に武力紛争を終わらせるのが理想的です。

 しかし、亡命を拒み続けているアサド大統領にどのような条件を出すのかが分かりません。どのような条件を出しても、彼が受け入れる可能性は低そうです。

 短期間で紛争を終わらせるためには、すでに外国軍の介入しかないように思われます。シリアには強力な防空網がありますが、それらを破壊して、外国軍による空爆で主力部隊を壊滅させ、自由シリア軍に戦車などを提供して進撃させるしかありません。戦車はイスラム過激派との紛争にも活用できるでしょう。

 アサド大統領が交渉を拒めば、こういうシナリオもあり得るかも知れません。


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