シリア軍がヨルダン国境近くの村を攻撃

2012.9.7


 BBCによれば、少なくとも20両の戦車に支援された兵士がタル・シャハブ(Tal Shehab・kmzファイルはこちら)を攻撃しました。

 町は反政府派の手にあり、ヨルダンへの難民脱出のための横断地点です。戦いはダマスカス近くのヤルモク(Yarmouk)・パレスチナ難民キャンプを含む場所で報告されました。活動家と重油民はヤルモクに砲撃があり、少なくとも5人が死に、数人が負傷しました。

 活動家はタル・シャハブの家が急襲され、住民が攻撃の間に拘束されたと言いました。ヨルダンは反乱が始まってから183,000人のシリア人が入国したと言います。今週初め、当局は1日に1,000人の割合で到着を報告しました。

 ヨルダンのファワツ・タラウネ首相(Prime Minister Fawaz Tarawneh)は、訪問中のキプロス大統領との記者会見でヨルダンへの国際的支援の問題を言いました。「(シリア難民の)数が我々の手に負えず、予想までも越えるなら、我々はシリアで事態がもっと悪化していると思います」。

 8月中に国外に逃げたシリア人は100,000人以上で過去最大、現在230,000人以上が隣国に避難しています。シリア国内で住むところがないシリア人は120万人以上、人道支援が必要な人は250万人以上とされます。


  タル・シャハブは小さな村で、穏健なヨルダンが攻撃してくるわけでもなく、ここを攻撃した意味は出国志願者が寄りつかないようにするためとしか思えません。戦車20両も多すぎる数字で、シリア軍は理解しがたいことをやっているとしか思えません。人口が減ることを心配し、国民を自国内に縛り付けておきたいのでしょう。

 なお、赤十字国際委員会のマウラー総裁が4日、シリアの人道状況改善に向け、首都ダマスカスでアサド大統領と会談したということです。ダマスカスにいるのなら、大統領宮殿にいるのでしょう。それなら、なぜテレビ演説を行わないのかが分かりません。テレビ局内に反政府派がいることを警戒しているのかも知れません。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.