オバマ大統領も領事館攻撃をテロ攻撃と主張?

2012.9.29


 military.comによれば、ホワイトハウスはオバマ大統領がリビアの領事館に対する攻撃をテロ攻撃と考えていると言いました。

 広報官ジェイ・カーニー(Jay Carney)は「それは間違いなく、政権としての我々、そして大統領の見解がテロ攻撃だったという事件です」と言いました。カーニーのコメントは、大統領候補者のミット・ロムニー(Mitt Romney)が、ヒラリー・ロダム・クリントン国務長官(Hillary Rodham Clinton)とその他の当局者が、ベンガジの攻撃がアメリカに対するテロ攻撃だと認めなかったと批判した後にありました。オバマ大統領は事件をテロ攻撃と呼ぶいくつかの機会を拒否しました。彼は先週、過激主義者たちがアメリカの資産を攻撃するための理由として、反イスラムビデオを利用したと言いました。


 短い記事ですが、これで昨日、パネッタ長官らがリビアの領事館攻撃をテロ攻撃と呼んだ理由が分かった気がしました。

 大統領選挙の直前に、領事らが殺された事件を軽視しているという印象を国民に与えるのは得策ではありません。そこで、問題のない範囲でテロ攻撃と認めることにしたのだと考えられます。それが本心かどうかは分かりません。

 未だにリビア当局から何の発表もありません。拘束した人物がアンサル・アル・シャリアのメンバーであることくらい、すでに判明していてよい時期です。明確なテロ攻撃なら、現段階で何かが分かっているはずなのです。

 ロムニー氏のように「国を守る」ことをお題目にして、なんでもテロ攻撃だと叫ぶことは、決して正しいことではありません。石原慎太郎都知事の尖閣諸島買取の動きは、日中関係の冷え込みという悪影響をもたらしました。行動が正しいかどうかなどは、戦略論の立場から言えば大した意味はありません。結末がどうなるかだけが大事なのです。そこを見据えた行動かどうかこそが肝心なのです。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.