近日中にアレッポに総攻撃か

2012.8.6


 BBCとアルジャジーラの記事からシリア内戦に関する情報を抽出しました。

 BBCによれば、20,000人以上のシリア軍がアレッポの周辺に集結しました。ダマスカスではシリア軍は反政府派を最後の拠点から押し出したと言い、反政府派は撤退したと言いました。

 シリア最初の宇宙飛行士モハメッド・ファリス(Muhammed Faris)がアレッポの自由シリア軍の指揮官に面会し、支持を表明してからトルコへ逃げました。自由シリア軍はシリア情報部幹部3人、ヤラブ・アル・シャラ大佐(Colonel Yarab al-Shara)と彼の兄弟モハメッド・カナーン・アル・シャラ(Mohammed Kanaan al-Shara)、ヤセル・アリ・ハジ大佐(Colonel Yasser Ali Hajj)が離反し、ヨルダンに避難したとも報告します。

 シリア軍は、街に入る主要な道路が走るサラハディーン地区(Salah al-Din)とサイフ・アル・ダウラ地区(Saif al-Dawla)に入る道をつけようとして戦車を使っています。反政府派は中心部へ向けて前進し続け、旧市街の歴史的な城塞へ向けて移動していると言いましたが、これは独自に確認されていません。

 アルジャジーラもシリア軍がアレッポに総攻撃をかけると報じています。ダマスカスでは反政府派が政権が一度手にした地域でゲリラ戦型の急襲を進めています。

 ダマスカスの反政府派、カリド・アル・シャミ(Khaled al-Shami)は反政府派を首都から追い出したという政府の発表はナンセンスだと言いました。彼は反政府派は軍を脅かし、首都を不安定にし続けるために急襲戦術を増やしていると言いました。「自由シリア軍はダマスカスの領域を保持しようとするのではなく、政権を衰えさせるためにヒットアンドラン攻撃を行っています。反政府派はそこに存在し、強力です」。


 時間がないため簡単にコメントします。

 シリア軍がダマスカスを占領したのなら、まずアサド大統領が姿を見せて、治安の回復を宣言しなければなりません。それが行われないのが疑問です。特に、元宇宙飛行士のような人物が離反することから、一概に政府軍が有利とは言えない気がします。アレッポへの総攻撃が失敗するようなら、内乱は長期化し、徐々に反政府派が地歩を固めていくのではないかと想像します。



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