意味のない大臣のオスプレイ試乗

2012.8.5


 ワシントンでオスプレイに試乗した森本敏防衛大臣の感想は想像通りでした。NNNによると、大臣の発言は以下の通りでした。

「飛行が安定していて、大変快適だった」
「(オスプレイに)初めて乗ったが、普通のヘリより横ブレせず、安定して飛行できるということは説明できると思います」

 横ブレしなかったのがヘリコプターモード、固定翼機モードのどちらだったのか、大臣は言わなかったようです。2時間だった試乗で、ヘリコプターモードだったのは5%にあたる6分程度と思われます。離陸と着陸それぞれの3分間ですから、記憶に残ったのは固定翼機モードかも知れません。それなら安定していて当然です。ヘリコプターモードで横ブレがなかったとしても、ローターが前後にある普通のタンデム型ヘリコプターと違い、ローターが左右についているオスプレイは横ブレは少ないかも知れません。こんなことは乗る前から想像できることです。

 なにより、ヘリコプターモードに問題があるとされるオスプレイを評価するのなら、どの段階でローターをコンバージョンモードにして、傾けはじめるのかを見て、質問をしてくるべきでした。飛行場の域内なのか、域外なのかを確認することで、普天間基地の中で固定翼機モードにできるのかを考えるべきでした。乗り心地なんかどうでもよい話です。

 ところで、産経新聞が今年6月にフロリダ州で起きたのと2010年4月にアフガニスタンで起きたオスプレイの事故で操縦士が同じだったと報じました。当サイトでは先月16日にすでに紹介済みの話です。既存メディアの仕事の遅さは致命的です。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.