アサド大統領がモスクでの姿を公開

2012.8.20


 BBCによれば、シリアのアサド大統領は先月の高官爆殺事件以来、はじめて公の場に姿を現しました。

 国営テレビはアサド大統領が、ラマダン明けのイード・アル・フィトル祭で、首都のアル・ハマド(al-Hamad)のモスクで祈りを捧げるアサド大統領を報じました。

 国中で大勢の人たちが祈りと反政府デモで祝日を祝いましたが、反政府派が占拠する場所に激しい爆撃が報告されました。人権団体「Syrian Observatory for Human Rights」はアレッポ(Aleppo)とラスタン(Rastan)の一部が砲撃され、デラ州(Deraa province)のヘラク(Herak)で衝突を報告しました。抗議がダマスカス(Damascus)、ハマ(Hama)、イデリブ(Idlib)を含む各地の墓地とモスクで催されました。

 アサド大統領はモスクの床に座り、聖職者と握手するために立った姿が示されました。特派員は、昨年は大統領は車で到着し、立ち去るのが撮影されるのが一般的でしたが、今回は違ったと言いました。アサド大統領は7月4日に議会で演説してから、公の場に現れていません。


 記事から必要な部分だけを紹介しました。

 またそれらしい映像が放送されましたが、大統領から現況に関する発言はありませんでした。いつもと違う映像であることから、過去に撮影された映像を使った、偽造された映像である可能性が高いと思います。

 アサド大統領が宮殿にいて国民に訴えたいのなら、テレビ局のクルーをヘリコプターで宮殿に運んで自分の演説を撮影させればよいのです。それがないことには、何も信じようがありません。

 時間がないので、各地の場所などはまだ確認していません。

 こんな風に政府が情報を出さない時は政府が不利な時なのです。まだ反政府派が優位とは言えないものの、それに向けて事態は着々と進行しているように見えます。



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