日本政府がヘリモードでの飛行を要請?

2012.8.10


 もう一点、緊急に書いておきます。オスプレイの沖縄配備に関して次のような記事を産経新聞が報じました。

日本側は実務者会合で、普天間飛行場周辺の住宅地上空を極力避ける飛行ルートを選定し、固定翼モードに転換せずヘリコプターモードによる飛行を徹底するよう求めた。


 この記事は本当なのでしょうか。記者の勘違いで、固定翼機モードで飛ぶように要請したのではないのでしょうか?。ヘリコプターモードで住宅地の上を飛ぶのは最も危険な運用方法です。

 普天間基地はどの方向に飛んでも住宅地の上を飛ばざるを得ません。

 多分、ヘリコプターモードから固定翼機モードに転換する間のコンバージョンモードが危険であることが強調されているため、最初からヘリコプターモードで離陸し、住宅地を最短距離で飛ぶのが安全だという考え方なのでしょう。これは考え方がおかしいというものです。

 ローターを斜めにする短距離離着陸モードで滑走路を滑走して離陸し、基地内でローターを倒して固定翼機モードにすれば、他の固定翼機と安全度は変わらないはずです。普天間基地には2,700m級の滑走路があります。短距離離着陸モードで滑走して離陸し、すぐにローターを倒して固定翼機モードにすれば、左旋回しながら住宅地上を最小限の距離で飛び越えられます。

 さらに、V-22は最大積載貨物を積んだ場合は垂直離着陸ができないことから、海兵隊は両方のモードで離陸することを主張するはずです。

 日本政府の意図が分かりません。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.