4年前の友軍誤射で米陸軍大尉が解任へ

2012.7.5


 military.comによれば、米陸軍のティモシーR・ハンソン大尉(Capt. Timothy R. Hanson)が2008年にイラクの、バラド(Balad)で友軍兵士デビッド・H・シャーレット上等兵(Pfc. David H. Sharrett)を射殺した件で解任されました。

 シャーレットの父、デビッド・シャーレット・シニア(David Sharrett Sr.)は、4年間にわたり息子の死を調査するよう迫りました。ハソン大尉は事件の1年後に大尉に昇進し、現役からフルタイムの予備役になることを許されました。陸軍はハンソン大尉が現在、離隊処理の最中だと言います。陸軍はこの離隊が名誉を伴うかやなぜ事件の4年後だったのかは言いません。

 2008年1月16日、ハンソン中尉(当時)はアルカイダと考えられた捕虜を捕まえるために分隊7人を指揮していました。兵士2人が死亡し、2人が負傷しました。無人機1機、ヘリコプター2機、ジェット機2機が撮影した映像は、シャーレットが立ち、敵から逃げる前に発砲するのを捉えました。ハンソンは彼の左へ向きを変え、6フィート離れたところからシャーレットの左腰部へ1発撃ちました。しかし、その瞬間は木で不明瞭でした。シャーレットは発砲の75分後にみつかり、大腿動脈が切れて内出血してすぐに死亡しました。


 事件の詳細は分かりませんが、陸軍はハンソンがシャーレットを殺したと判断したようです。

 将校の解任は珍しいことです。普通、下士卒なら除隊(discharge)ですが、将校は解任(separation)という名称で離隊します。「separation」を何と訳するのが適切かは迷うところです。この辺に将校と下士卒の立場の違いが出ています。かつて将校は貴族しかなれない名誉ある地位でした。その伝統が今も続いているのです。事件の調査に4年もかかったのは、そのためです。



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