アレッポへの総攻撃が準備中

2012.7.27


 BBCによれば、シリアのアレッポ(Aleppo)では、政府軍が郊外で大きな戦いの準備を行い、反政府派は弾薬と医薬品を備蓄しはじめました。

 ダマスカスでは、反政府派はシリアにが首都の最後に反政府派が保持していた場所を激しく攻撃し、20人の民間人が死亡しました。

 アレッポでは反政府派は検問所と狙撃兵を配置し、都市の半分を支配したと主張しました。  シリア政府筋は、特殊部隊が総反撃の準備を整えて、アレッポの端に到着しはじめたと言いました。 人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」は主にダマスカスからアレッポへ南の道路へ到着する増援部隊を確認しました。 兵士と戦車の列はハマ市(Hama)とイドリブ州(Idlib province)のトルコとの国境基地から来ていると考えられています。 アレッポの反政府派とつながる活動家、タラル・アル・メイハニ(Talal al-Mayhani)は、アレッポの戦いな方はダマスカスの初期の戦いと同じ道を辿りそうだと言いました。ダマスカスでは反政府派は撤退を余儀なくされる前まで、都市の大半を支配しました。

 ル・モンド紙の記者は、アレッポの自由シリア軍指揮官は自信に満ちていたものの、武器は不足していると話しました。アレッポの西50kmにいるガーディアン紙の記者はアレッポ州の他の大半の部分は反政府派の手にあるものの、街の半分以上を支配しているというのは誇張だと言いました。「街の南部と北東にいるのが本当です。戦術的に彼らはゲリラ型の攻撃をしていて、本当に素早く消え去るのです」。


 主にアレッポに関する部分だけを抽出して紹介しました。

 微妙な情勢になってきました。ダマスカスがすぐに陥落することはなさそうです。しかし、ダマスカスの戦闘は続ける必要があります。そうしないと、アレッポの戦いにシリア軍はより多くの増援を送るでしょう。少なくとも、反政府派は北部だけでも掌握しないと、アサド政権と戦えません。そのためには、アレッポを完全に占領する必要があります。

 今のところ、大規模な離反がシリア軍から出た話は聞きません。反政府派が戦車のような重火器を手にしているのかや、空軍基地が寝返って、反政府派が空軍力を持ったとも聞きません。武器の持ち込みだけで重武装したシリア軍に勝つのは難しいし、長い時間がかかります。

 外国軍の介入も非現実的です。まず、シリアは周辺国と複雑な関係にあり、介入のための安定した戦力を投入し続けることは困難です。シリアが侵略に対して化学兵器の使用もちらつかせています。ロシアが強硬に反対することも理由の一つです。

 政府軍がアレッポを奪還することは、この内乱の結末を決めるかも知れません。しかし、国内の大半が反政府派になった国は長くはないでしょう。いずれ、政権は転覆されると考えるべきです。それまでの時間をどう短縮するかを考えるのが反政府派の戦略です。



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