オスプレイ問題に消極的すぎる日本

2012.7.24


 産経新聞によれば、森本敏防衛相は23日のフジテレビ番組で、オスプレイの運用の安全を確保するため、離着陸にはできるだけ海上のルートを飛行するよう米側に要請する考えを示しました。

 FNNによれば、アメリカ南西部のキャノン空軍基地(kmzフィアルはこちら)では、安全性などに問題があるとした住民の反対を受けて、「CV-22 オスプレイ」の飛行訓練の延期が決まっています。

周辺住民の反対を受け、キャノン空軍基地は6月、基地の西側の「夜間」低空飛行訓練を2013年1月まで延期すると発表したが、「日中」の飛行は、数日前も目撃されていた。


 キャノン空軍基地はクローヴィスから少し離れた所にあり、周囲はほとんどが畑です。住宅はごく僅かしかありません。そんな場所でも反対運動でオスプレイの飛行禁止を可能にできたのですから、日本もやればできるはずです。

 ぜひ、普天間(kmzフィアルはこちら)と岩国(kmzフィアルはこちら)の海兵隊基地の立地と比べてみてください。距離上の余裕で圧倒的に日本が危険なことが分かります。それでもクローヴィスでは反対運動が起きているのです。

 飛行モードの切り替え、固定翼機モードにして安全を図るという発想は森本防衛大臣にはないようです。海上ルートは基地を出て、目的地に向かう場合で、事故の大半が起きる離着陸時の話ではありません。岩国基地ならヘリモードでも住宅地を通らずに海上に出られますが、普天間基地ではどちらのモードでも住宅地の上を通らざるを得ません。それをどうするのかという問題にはまったく答えていません。

 日本とアメリカは違うと思うでしょうか。植民地の定義は、本国と違う法律を外国の地に敷くことだといわれています。日本がアメリカの同盟国ならば、アメリカ国内と同じ規則を海兵隊に求められるはずです。オスプレイを拒否すると、日米同盟が壊れるとか、アメリカから報復されると本気で信じている人をたまにみかけますが、それは考えすぎです。要求は要求としてアメリカに伝えなければなりません。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.