アサド大統領テレビ出演の謎

2012.7.21


 military.comによれば、アサド大統領が爆弾事件後にテレビに出演しました。長文の記事からテレビ出演と戦況に関する部分だけを紹介します。

 半ダースの反政府兵士はイラクのカイム(Qaim)に近い国境検問を奪取しました。反政府派はイラク国境に近いシリア軍前哨基地を奪い、シリア軍兵士21人を殺しました。

 さらに、インターネットに投稿されたビデオはトルコとの国境バブ・アル・ハワ(Bab al-Hawa)を奪取した反政府派がアサドの写真を踏みつけにするのを示しました。シリカ国内で自由に動くことが認められていないため、AP通信はこの映像を独自に確認できていません。激しい戦闘がダマスカス(Damascus)の南端から北東のカボウン(Qaboun)近辺、西の郊外の多くで起きています。

 木曜日に国営テレビに音声なしでアサド大統領が姿を現したのは、涸れが生きていて、健康で、統制していることを示すことを狙っていたとみられます。報道はアサド大統領が青いスーツとネクタイを着て、新しい国防大臣に宣誓をさせ、彼の幸運を祈ったと言いました。記事は儀式が行われた場所を言いませんでした。


 昨日、本人がメディアに姿を見せる可能性について書いたら、シリア政府が先手を打ったようです。

 しかし、この映像はアサド大統領が負傷または死亡したか、首都付近にいないためにビデオ撮影ができないという見方を強めるだけです。音声がなかったのは明らかに不自然です。現在のビデオカメラは映像を音声と同期して記録するのが当たり前になっていますから、この映像は過去の映像を利用した偽情報だと見られるのが関の山です。アサド政権に必要なのは、爆弾事件や国防大臣の交代について、つまり爆弾事件後のものと分かる話をアサド大統領自身が肉声で話す映像です。



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