中、露、中央アジアがアフガン再建に触手

2012.6.7


 military.comによれば、上海協力機構(the Shanghai Cooperation Organization)は今週、北京での会議で2014年末に大半の米軍戦闘部隊がアフガニスタンから撤退した後で、中国コングロマリット主導で地域の安定化を担いたいと言います。

 人民日報で胡錦濤中国国家主席は「私たちは地域的な問題は地域内の諸国が管理すべきで、国外の混乱の衝撃を防ぎ、アフガンの平和的な再建でより大きな役割を演じるべきという考え方を追求し続けます」と言いました。これを行うための計画は不明のままです。上海協力機構はまだアフガン戦略を宣言しておらず、米軍と外国部隊が去った後の空地を埋める僅かな兆候しか示していません。

 ウラジミール・プーチン大統領(President Vladimir Putin)は、両国が軍隊間の協力促進を行うべきと言いました。中国とロシアはシリア危機でも共同路線をとっています。

 一方でロシアとウズベキスタン、キルギスタン、カザフスタンは米軍撤退を確実にするための一翼を担っています。


 記事は簡単に紹介しました。この後、アフガンの豊富な地下資源やロシアのアフガンからの麻薬流入対策などについて書かれていますが、前に紹介しているので省略します。

 こんな心配を今するくらいなら、アメリカはアフガン進攻前にソロバンを弾いてみるべきだったのです。記事にも書かれていますが、上海協力機構の戦略は明確でなく、各国の利害も様々です。どれだけ強力な態勢になるかも分からないのに、心配ばかりするのは無意味です。大規模テロに遭っても冷静に対処を考える頭があれば、この程度の展開は予測がつくのです。テロの被害を真剣に受け止めたアメリカ人の真面目さは評価しますが、戦争では往々にして善意が悪い結果をもたらすのです。戦争のすべてを分析し、結果を見据えた考察以外は信用すべきではありません。

 こういう面で、アメリカ人は大きな欠点を持っていると,私は感じています。同じような失敗を何度も繰り返す点も危険視しています。日本がアメリカと行動する時に、これは要注意事項とすべきです。



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