イエメン軍がアルカイダを追撃

2012.6.6


 military.comによれば、イエメン軍はアルカイダとつながる戦士から南部の街、シャクラ(Shaqra・kmzファイルはこちら)を奪還する準備をしています。

 テキストメッセージを通じて、南部の軍区長は国民に武装勢力に支配されているシャクラと他2つの街周辺の道路を使わないように要請しました。主要な輸送ルート上にあるシャクラは、ソマリ人戦士が入国する入口でもあります。

 ジンジバル(kmzファイルはこちら)にいるアルジャジーラのハシム・アヘルバラ(Hashem Ahelbarra)は「軍はここで配置についています。彼らは数千人の戦士、空軍と無人攻撃機に支援されています」「アルカイダがゲリラ戦術を用いる事がイエメン軍がアルカイダの存在を終わらせることを極めて難しくしているのが問題だと彼らは言います」と言いました。アリ・ラドマン・カータン陸軍大佐(Colonel Ali Radman Qahtan)は「我々が直面する最大の難問はアルカイダの戦士が常に少数で移動し、1ヶ所で抵抗しようとしないことです」「軍は武装勢力と戦っています。彼らは地域を……密かに移動するために密生する木々を利用することを知っています」と言いました。


 ジンジバルの戦闘が終わったので、イエメン軍はシャクラへ進撃しようとしているようです。ジンジバルとシャクラの間は約50kmで、沿岸沿いの道路でつながっており、地形はほとんどが平地で見通しも悪くありません。抵抗するのに適した地形はなく、イエメン軍は大した苦労もなくシャクラに接近できるでしょう。カータン大佐が言うとおり、イエメンには部分的に密生した林があります。特に高地はかなりの木々が見られます。しかし、平地の林はそれほど大きくなくて、防衛拠点としては一定の効果しかありません。シャクラは東西に2km程度の細長い小さな街で、短期間で陥落できるでしょう。

 気になるのは武装勢力が1ヶ所に留まらないということです。彼らが形勢不利になると、他の地域へ逃げることは以前から知られています。カータン大佐が林を心配していることから、人員・装備不足が想像され、それがアルカイダの追撃を難しくする可能性があるかも知れません。ここしばらくの戦闘の推移を注視したいと思います。



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