アフガン女性殺害で米兵士が審問へ

2012.6.25


 military.comによれば、金曜日の審問で、アフガニスタン民間人を殺害した件で起訴されている小隊軍曹は、彼が銃を撃ったとき、彼の小隊は自動車爆弾にあと僅かのところにあったと言いました。

 ウォルター・テイラー1等軍曹(Sgt. 1st Class Walter Taylor)は、家族と共に銃撃戦の中に車でやって来て、兵士が近づいたときに急に車を出たアフガン国民を射殺した件で、過失殺人と職務怠慢で起訴されています。テイラー1等軍曹がアキルラ・ヒクマト博士(Dr. Aqilah Hikmat)を撃つ前は敵対的な意図を確認する交戦規則に正しく従っていたかどうかについて、第32条の裁判で3日間証言したあとで、調査官は軍事裁判を含む起訴の裁決を勧告するとみられます。

 金曜日に宣誓しない供述で、テイラー1等軍曹はハキマト一家とアメリカとアフガンの関係を害したことを謝罪しましたが、彼は自身の判断をこうした状況下では最善だったと主張しました。「私に手に入った事実に基づいて、私は車で去った黒い服を着た人物が私と部下に脅威だったと考えました」。31歳のテイラー1等軍曹は、それ以外の場面では3日間の証言の間、静かに座っていました。彼の兵士と監督者、犯罪捜査官は、2011年7月にワルダク州(Wardak province)で起きた武装勢力の攻撃について、車がやって来て、彼の小隊が過去の任務で道路脇爆弾につながることを見出した起爆用ワイヤーに似たワイヤーの上で止まったとき、発砲に先立って何が起きたかを説明しました。

 捜査報告書と証言によれば、部隊のバッファロー地雷除去車が隠された爆弾に攻撃された後、車を降りた者たちは周囲を囲んだ丘と白い車2台から小火器の攻撃を受けました。証言した兵士たちは、混乱の中で誰かが無線機で黒い車が敵だと報告し、数名が発砲したと証言しました。第38路線点検小隊の指揮官は、彼が無線機で発砲を止めるよう命じたと証言しました。数人の兵士は車からの脅威を見なかったと証言しました。車が停まってから、ヒクマトが車を出た時まで数分間ありました。陸軍の捜査と証言によれば、テイラー1等軍曹はヒクマトが車を出た数秒後に彼女を撃ちました。

 陸軍検察官はテイラー1等軍曹がヒクマトを撃つ前に敵対的意図を確認したかどうかに集中しました。コートニー・コーエン大尉(Capt. Courtney Cohen)はCapt. Courtney Cohen状況が制御不能になってかなり経ってから、ヒクマトを見た直後に発砲をはじめたと主張しました。「テイラー1等軍曹はヒクマト博士にチャンスすら与えませんでした」。

 テイラー1等軍曹の弁護士、ジェームズ・カルブ(James Culp)は、依頼人は起訴を恐れるために事件への関与を申し出ないと言いました。彼は起爆用ワイヤーの存在と自動車爆弾の恐れがあった周囲の状況を指摘しました。陸軍が結果をとやかく言う戦闘の判断をするのなら、こうした判断は兵士の視点から検討されなければならないと言いました。「この状況での彼の行動は合理的でしたか。彼にそれを判断する数秒間がありましたか。それが問題です」。

 調査官のアルバ・ハート中佐(Lt. Col. Alva Hart)は起訴の裁決を勧告し、証人数名に質問をしました。ハート中佐は証人の一人に自動車爆弾の有効半径を尋ねました。ウェード・スミス大尉(Capt. Wade Smith)は、その範囲を600〜800mと推定しました。証言によると、テイラーの部下のほとんどは黒い車の範囲内に入りました。

 この事件の数日後、テイラー1等軍曹の車はRPGに攻撃され、彼の鼻と唇は傷つき、外観を損ねました。

 カルブ弁護士は尋問を通じて、調査は政治的に誘導されたと示唆しました。アフガン軍高官が発砲の直後に現場に来ました。「ヒクマト博士が重要な人物だったので、事件が大きくなったのは明らかです」とカルブ弁護士は最終弁論で言いました。


 時間がないので、重要な部分だけを紹介しました。

 ヒクマト博士が誰であるかは別として、テイラー1等軍曹の判断が正しいかどうかは、この記事からは十分には判断できません。多分、ヒクマト博士は敵意がないことを示そうとして車外に出たのでしょう。それを自爆ベストを爆発させるためだと考えたのは、確かに間違った判断でした。しかし、爆弾で攻撃を受けたあとで冷静な判断をすることは難しく、軍事裁判では無罪になる事例が多いのです。

 時間がないのでコメントも中途半端になりますが、過去の事件の例を見てもらえれば、この事件の結末も想像ができるはずです。



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