有名になるために戦闘で負傷したと嘘

2012.6.11


 military.comによれば、NBCのタレント発掘番組「America's Got Talent」に出演し、兵士からテレビタレントに転向したティモシー・マイケル・ポー(Timothy Michael Poe)が戦場で負傷したと嘘をついと避難されています。

 彼は月曜日の番組に出演し、2009年にアフガニスタンで手榴弾で負傷したと言いましたが、ミネソタ州軍の記録は彼の主張を支持しません。現在、テキサス州に住むポーは金曜日にダラスのWFAA-TVの放送の中で泣きました。彼は、自分に起きたと信じていることを、彼らは持っていないなんて理解できないと言いました。ポーは仲間を救うために手榴弾を防いだ感動的な話で聴衆と著名人の審査員を味方につけました。彼は爆発で背中に怪我をして脳外傷が残ったと言いました。

 州軍は軍の記録はポーがアフガンの戦争で負傷しなかったことを示すと言い、彼は怪我をしたと主張した時から特に退役軍人たちから批判されました。

 ポーはNBCのタレント発掘番組に彼自身に見せかけた、実際にはノーマン・ボーン2等軍曹(Staff Sgt. Norman Bone)だった写真も提供しました。ボーンは金曜日にポーが軍務に就く男女すべてに無礼な嘘をついたと言い、ポーの行動を完全に間違っていると言いました。ポーの婚約者、キャリー・モリス(Carrie Morris)は彼が急がされたために写真を偶然に提出したと言いました。ポーはAP通信によるインタビューを断りました。


 これは単なる嘘つきの話として捉えるべきではなく、こうした嘘つきがどうして出てくるのかという背景を考えるべきです。

 同時多発テロ以降、アメリカ人は軍人たちを誇りに感じてきました。危険を冒して自分たちを守ってくれると考えたからです。イラク侵攻に戦略がなく、やるだけ無駄ということには気がつかずに、兵士の安全を祈り続けてきました。善良ではありますが、戦争という究極的な行為の前ではあまりにも間違っています。意地悪とも思えるくらいの厳しい目で自分の戦略を分析するくらいの態度でないと、戦いは深みにはまるばかりです。戦争は団結を必要とする行動でもあるので、こうした場合、批判は引っ込み、結団だけが強調されます。ここに戦争のジレンマがあります。

 有名タレントになろうとする人がいて、軍歴があるとしたら、負傷した話で同情を誘おうとしてしまうものなのです。似たような話では、履歴書に偽の受勲歴を書くものもいます。功績のある軍人が得をする社会であれば、こういう事件は繰り返し起きるということです。現在、日本で自衛官がこういう事件を起こさないのは、この種の恩典がないためです。これを自衛官が不遇だと感じるのか、誘惑が少なくて結構なことだと考えるかは、人それぞれでしょう。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.