ロシアがNATOのミサイル防衛に反発

2012.5.5


 military.comによれば、ワシントンがミサイル防衛網を建設すれば、ロシア軍高官は東ヨーロッパにあるアメリカとNATOのミサイル防衛施設に先制攻撃を行うと脅しました。

 ドミトリー・メドベージェフ大統領(President Dmitry Medvedev)は昨年、アメリカとNATO軍がミサイル防衛システムに関して合意に達しなければ、ロシアは軍事的に報復すると言いました。木曜日にニコライ・マカロフ参謀総長(Chief of General Staff Nikolai Makarov)はさらに言を強め、米・NATO高官が出席した国際会議で「状況が悪化すれば、先制的な武力行使が決定されるだろう」と言いました。アナトーリー・セルジュコフ国防大臣(Russian Defense Minister Anatoly Serdyukov)も木曜日に、この問題でのモスクワとワシントン間の対話は瀕死状態だと言いました。

 マカロフ参謀総長のコメントは、差し迫った危機を意味するのではなく、ワシントンにロシアの要求をのませるためにさらに圧力をかけようとしているように見えました。モスクワでの2日間の会議は今月シカゴで行われるNATOサミット前の主要な米ロ会合です。ロシアはサミットに高官を送るかどうかをまだ述べていません。

 ロシアのアナトリー・アントノフ国防副大臣(Deputy Defense Minister Anatoly Antonov)は「我々は数十年間もの不信を否定したり、まったく違った人間になることはできません」「彼らはなぜ私を呼んだのですか。私のロシアの仲間に不信感を否定させるためですか?。自分自身を鏡に映してよく見てみることです」。

 米国務省特使、エレン・ターチャー(Ellen Tauscher)は「あなたの10フィートのフェンスは私に11フィートのハシゴを作らせません」「おそらくお互いからとお互いのために、私たちが借りなければならない一定の信頼を得るためには、政治的な信頼の飛躍をしなければらなさそうですが、なぜ次世代のために私たちはそれをやろうとしないのでしょう?」。


 記事は両国のコメントに関する部分を選んで一部だけを紹介しました。

 イランの弾道ミサイルからヨーロッパを守るためにミサイル防衛網を東ヨーロッパに建設したいとするのがアメリカの意図で、ロシアは自国近くに迎撃ミサイル網が造られることは、自国から発射する弾道ミサイルが撃墜される恐れがあり、その核攻撃能力を減少させることは核抑止力を減少させるために、自国の安全を脅かすとして反発しています。これは理屈としては当然のことです。

 韓国が北朝鮮の弾道ミサイルに対して対策を打ち出したのも同じ理由です。日本も北朝鮮のノドンミサイルによる脅威が存在するのですから、こうした点で常に厳しい声明を出し、対策を取っていく必要があるのですが、動きがあるのは日本を攻撃できないテポドン2号に関してだけです。

 記事にあるように、先制攻撃の脅しはまだ宣言だけの段階です。最終的にロシアが妥協するとは思えず、交渉を決裂させるわけにいかないので、アメリカ側が何かの妥協をすることになるでしょう。でも、その手法は予測できません。

 それから、ようやくチャールズ・ビック氏からテポドン2号の打ち上げに関するレポートが届きました。全体では41ページもあるレポートです。翻訳すべき部分はもっと少ないでしょうが、まずは要約を作って紹介しようかと思います。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.