北朝鮮ロケット打ち上げは14日か?

2012.4.7
修正 2012.4.8 19:10


 朝鮮日報が、故金日成の生誕百周年記念イベントが15日にあるため、ロケット発射は14日の可能性が最も高いと報じました。

 時事通信が報じたところでは、気象庁は東倉里基地周辺は12〜13日は高気圧に見舞われ、晴天になる見込みで、強風も吹かないということです。


 12〜16日という期日は最も打ち上げの可能性が高い日を真ん中に置いて数日間の余裕を持たせるのが常識ですから、真ん中の14日は一番可能性が高いことになります。元々、15日のイベントの前日に設定されたことは間違いがありません。

 しかし、これはもっぱら政治的な部分での話で、ロケット打ち上げには天候が大きく影響します。特に雷雲、風、雨は影響が大きいとされます。雲は雷雲でない限りは打ち上げの障害にはなりません。日本のH-IIロケットは、風速14.7m/s、雨量8mm/hを越える場合は打ち上げを行いません。テポドン2号改良型もこれと同じ条件と見て差し支えありません。

 wunderground.comで東倉里に最も近い観測点、東倉里の北西55kmにある新義州市の天候を見てみましょう(気象情報はこちら)。

時間帯 天    候
12
晴. 最低気温 3C. 風速: 5-20 km/h. 風向: 北西
晴. 最高気温 19C. 風速: 5-20 km/h. 風向: 南南西
13
晴. 最低気温 3C. 風速: 5-20 km/h. 風向: 南
だいたい曇. 最高気温 16C. 風速: 5-15 km/h. 風向: 南東
14
だいたい曇. 最低気温 5C. 風速: 10-15 km/h. 風向: 南南東
所により曇. 最高気温 14C. 風速: 10-25 km/h. 風向: 南南東
15
所により曇. 最低気温 5C. 風速: 15-20 km/h. 風向: 南南東
雷雨の可能性. 最高気温 14C. 風速: 5-25 km/h. 風向: 南南東. 降水確率 40%
16
雷雨の可能性. 最低気温 5C. 風速: 5-15 km/h. 風向: 南. 降水確率 20%
晴. 最高気温 13C. 風速: 5-15 km/h. 風向: 南

 この予報で見る限りは、15〜16日の打ち上げは雷雨の可能性があるため見込みは低いようです。14日は風速が小さい時間帯の打ち上げが考えられ、12〜13日は最も条件がよいということになります。

 もっとも、東倉里そのものの予報ではなく、予報は当たらない可能性もありますから、実際にどうなるかは分かりません。しかし、これから打ち上げまで、この気象条件に注目してください。2009年の打ち上げも、特に風速が重要なポイントになりました。

 韓国のKBSテレビは北朝鮮が各国の報道陣に12日に平壌入りするよう通知したと報じました。平壌から東倉里基地までの移動に丸1日かかることから、14日の発射が有力だと推測しているとのことです。しかし、この報道には疑問があります。丸1日というのは陸路を移動した場合の話です。東倉里基地周辺には軍民両方の空港がいくつかあります。北東30kmの宣川(ソンチョン)にはヘリコプター基地、北東35kmの郭山(クァクサン)には小型機用基地、前出の新義州市に2,500m級滑走路を持つ空軍基地、北西53kmの中和村には軍基地と共用の丹東空港(kmzファイルはこちら)があります。平壌から飛行機で丹東空港に報道陣を運び、あとは陸路かヘリコプターで東倉里へ運べば、12日の午後には現地へ着けるのです。おそらく、12日は移動と打ち上げのプレゼンテーション(あるいは豪華なディナータイムも)に費やされるでしょう。その後で、記者団は平壌に戻り、衛星管制総合指揮所でロケット打ち上げを見るということです。よって、13日も打ち上げの可能性は十分にあるということになります。ロケットは夜にも打ち上げることができますが、打ち上げを華々しく演出する観点から、昼間の時間帯が選ばれるでしょう。13〜14日の昼間が要注意ということになります。

 6日に1段機体が発射台に据え付けられたようです。打ち上げ準備は順調に進んでいるように見えます。



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