北朝鮮が迎撃・回収に報復を宣言

2012.4.6


 日米韓がロケットの落下物を迎撃、回収する準備をしていることについて、実施されれば「無慈悲な攻撃で懲罰する」と警告したと朝鮮中央通信が報じました。

 北朝鮮報道官は「合法性、透明性が十分に保証されている」「平和的な人工衛星を迎撃するのは戦争行為であり、破滅的な悪影響を招く」と言いました。


 北朝鮮は平和目的のロケットなのに、他国領域に落ちた場合に撃破されたり、海中に落下した機体を回収されることを恐れ、日本は事実上の弾道ミサイルだと言いながら、外務省が機体の所有権が不明確だと機体の引き揚げに反対だと言っています。どちらの主張も不合理です。

 平和目的ならロケットが他国領域に落下する前に自爆させるのが常識です。テポドン2号が墜落した時、機体を自爆させた確証はなかったはずで、1段機体は2段機体と断裂したあと、燃料を使い切るまで飛び続けたとされます。2段機体から上の部分も自爆させた明確な形跡はありません。こんなロケットを他国が緊急避難的に破壊しても、文句はどこからも出ないのです。

 2009年に、自国の排他的経済水域内に落下した1段機体を引き揚げなかったのは、日本がテポドン2号を北朝鮮の国家資産として尊重したことを示します。テポドン2号を軍事兵器だとするなら、資産扱いする必要はありません。アメリカは沈没したソ連の潜水艦を密かに引き揚げたことがあります。敵の武器を手に入れて調べるのは、当たり前のことなのです。

 無慈悲な攻撃で懲罰するという北朝鮮の主張は無視し、こちらは具体的な対策をとらなければなりません。弾道を解析するイージス艦を防護する態勢をとり、韓米の機体解析に参加を申し込むのです。

 ところが、強調されているのは迎撃ミサイルのことばかりです。スペースシャトル「コロンビア号」が米本土に墜落した時、多くの残骸が地上に落下したのに被害は出ませんでした。燃料をほとんど積まない帰還時のスペースシャトルの残骸で、こうなのです。テポドン2号の2段機体から上の部分はもっと小さく、混ぜると自然発火する燃料と酸化剤を積んでいることから、機体は墜落中に空中爆発する可能性が高いのです。

 争いは望まないものの、万一、北朝鮮が破壊行為に出るなら、自衛隊は反撃して北朝鮮の意図をくじくべきです。そのための方法は隊内で明確に議論されていなければなりません。一般にも差し障りのない範囲で概略を発表しておくべきです。聞いている範囲では、それは万全ではなく、不安を感じます。政府がやっているのは、口当たりのよい言葉で国民を迎撃ミサイルで守るということばかりです。日本は北朝鮮よりも高い次元で戦略・戦術を展開すべきです。単なる恐怖心にレベルを合わせるべきではありません。



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