北朝鮮の「特別行動」とは何か?

2012.4.24


 military.comによれば、北朝鮮が韓国に対して「特別行動」を取るという声明を出しました。

 北朝鮮がソウルに対して大規模な軍事攻撃を行うことはありそうにありません。ソウルは30,000人の米軍によって支援されていると、西江大学校のキム・ヨンソ教授は言いました。匿名の韓国国防当局者は特別な軍隊の動きは北朝鮮では起きていないと言いました。


 この出来事は国内でも報じられているので、重要な部分だけを紹介しました。

 「特別行動」が本当に起きると信じている人はいません。まず、現代には「攻撃を始めるぞ」と、相手に知らせる軍事手法はないからです。かつて、チンギス・ハーンは降伏する気がない相手は徹底的に攻撃し、それを世界に周知する手法を用いました。この話が広まると、モンゴル人が攻撃すると通告するだけで相手は降伏しました。しかし、現代では攻撃の意図を敵が知れば奇襲効果が失われます。また、大規模な準備を秘密裏に進めるのに成功しない限り、大攻勢は行えません。部隊の配置換えなどの大規模な動きが観察されない限り、実際の軍事攻撃はないと考えてよい訳です。特に、韓国を「3〜4分で焦土化」という脅しにはまったく根拠がありません。このような手段が現実には存在しないからです。

 ところで、チャールズ・ビック氏のテポドン2号レポートはまだ完成していないようです。今回は情報が少なくて、結論を出すまでに時間がかかるのかも知れません。入手次第、紹介するつもりです。



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