アフガン「夜襲」で合意 ベイルズに精神鑑定

2012.4.11


 北朝鮮関係の話題ばかりで、他の話題が疎かになっていました。これまで取り上げている事件に進展があったので、ごく簡単に触れておきます。

 military.comによれば、アフガニスタンとアメリカは「夜襲」に関する取り決めを行いました。

 アフガン領域内での特殊作戦をアフガンへ帰属させるという覚書が土曜日に調印されました。しかし、詳細は明らかにされていません。多くの場合で、アフガン主導とは、最初にドアを入る兵士や、任務を始めるためにゴム印を押すのがアフガン側であることを意味するだけです。取り決めについて知るアフガン当局者は、すべての特殊作戦はアフガンの軍、政府、情報局から成る委員会の承認が必要です。特殊作戦には通常のパトロールや通常の攻勢は含まれません。これらの決定は米軍との相談の上に行われますが、アメリカ人が委員会のメンバーかや最終的決定で発言するかは不明です。

 military.comによれば、アフガンで17人を殺害したロバート・ベイルズ2等軍曹(Staff Sgt. Robert Bales)に対して、米陸軍は裁判を受けられる精神状態かどうかを調べることになりました。

 ウォルター・リード国立軍医療センター(Walter Reed National Military Medical Center)の陸軍医官が精神鑑定を行うことになりました。調査は事件の前に飲んだ処方薬を調べるとみられます。医官はベイルズが事件当時、精神病、精神障害にあったかどうかや、裁判の内容を理解できるかどうかを判断します。この調査は今後30〜45日間で行われます。


 アフガン人から批判が多い夜襲について、何らかの取り決めができたということですが、これで問題が解決するかどうかは疑問です。米軍がアフガンから撤退しても特殊部隊は残存します。彼らが作戦を継続する以上、肝心な部分は彼らが決めると考えられるからです。

 ベイルズの精神鑑定は当然行われるべきことですから、驚くことはありません。鑑定をやるくらいだから、彼は異常な人物だとも言えません。むしろ、正常だという結論が出る可能性の方が高そうです。アルコールを飲んだ時の変化を調べる検査も行われるかも知れません。事件の詳細はこれまでに報じられたこと以上は出ないと思われるので、次のニュースは精神鑑定の結論かも知れません。



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