ベイルズが起訴されるも、裁判は長期化か

2012.3.26


 17人のアフガニスタン人を虐殺したロバート・ベイルズ2等軍曹(Staff Sgt. Robert Bales)が起訴されました。2件の記事を紹介します。

 military.comによれば、金曜日の起訴はベイルズ2等軍曹の計画的殺人17件(犠牲者の半分以上は子供)という恐るべき犯罪を反映しました。裁判は数ヶ月から数年がかかるとみられます。ニダル・ハサン少佐(Maj. Nidal Hasan)がフォート・フッド基地(Fort Hood)で13人を殺害し、2ダース以上を負傷させてから29ヶ月近くが過ぎました。彼の裁判は6月に始まる予定です。ブラッドレー・マニング(Bradley Manning)が機密情報を漏洩させてから21ヶ月が過ぎています。彼が裁判を受ける能力があると判断されるまでに9ヶ月がかかりました。ベイルズの裁判は、事件に果たしたかも知れない彼の精神状態、戦場ストレスと過去の頭部の怪我の役割が関係し、同じくらい複雑になりそうです。ほとんどの目撃者はアフガンの村民と生存者です。

 軍は金曜日にベイルズを殺人材17件、殺人未遂6件、傷害6件、合計29件で起訴しました。アフガン駐留米軍広報官、ゲイリー・コルブ大佐(Col. Gary Kolb)によれば、計画的殺人で最も重たい刑は死刑、不名誉除隊、最下位の階級への降格、給料と手当の完全な喪失です。最も軽い場合で、仮釈放がある終身刑です。起訴は事件の詳細をほとんど明らかにしませんでした。ベイルズは9mm拳銃とM4小銃を持って基地を出て、4人の男性、4人の女性、男の子2人、女の子7人を殺し、何体かの死体を焼きました。子供の年齢は公開されていません。

 現在までに最も詳しい説明では、起訴はベイルズが少女の頭部、少年の腿、男性の首、女性の胸と鼠径部を撃ったと言います。訴状は彼が別の少女と少年に発砲したものの命中しなかったと言います。

 アフガンの調査団の多くのメンバーは、深夜から午前2時まで勤務しているアフガン兵が米兵が午前1時30分頃基地に戻るのを目撃し、このアフガン兵と交替して午前4時まで勤務した別のアフガン兵は米兵が午前2時30分頃出て行くのを目撃したと言いました。アフガン兵が同じ兵士を見たかどうかは不明です。ガンマンが1人で行動していたのなら、これは彼は乱射の最中に基地に戻ったことを示します。

 容疑者が手榴弾を使ったかどうかは不明だとコルブ大佐は言いました。グレネードランチャーのアタッチメントは一部の兵士のM4小銃に取り付けられています。ベイルズは基地の警護隊に配属されていました。

 ベイルズが飲酒ししていたかかどうかは訴状に書かれていませんでした。匿名の国防高官は事件の数時間前に、ベイルズが戦地でのアルコール禁止に違反して飲酒していたと言いました。

 ベイルズの妻キャリリン(Karilyn)の弁護士、ランス・ローゼン(Lance Rosen)は、夫婦が彼が逮捕されて以来2回電話で話したと言いました。通話はモニターされ、10分間のみでした。

 以下に専門家のコメントや軍事裁判の基本的知識などが書かれていますが、省略します。

 military.comがベイルズの外傷性脳損傷(TBI)について、専門家のコメントを報じました。ごく簡単に要点をまとめます。

 神経外科医のランダル・チェスナット(Randall Chesnut)は、TBIは白黒つけられるものではなく、グレー色の色合いの問題であると言いました。ほとんどの者は頭部に何らかの怪我をしていますが、我々はそれを認めていないかも知れないと、彼は説明しました。「誰もが自分の頭を何度か強打しています」。ラグビー選手として彼は「私は何度脳震盪を起こしたか知れません」。脳震盪は頭部外傷の一種です。疾病管理予防センターは年間170万人がTBIになっていると予測します。ほとんどは軽度に分類されます。

 TBIは頭部をぶつけたり、穿通創、爆発による脳震盪で起こります。症状は視力と嗅覚の変化、めまい、バランスの損失、短気、不眠、短期の物忘れ、注意の継続不良を含みます。しかし、チェスナットは「12週間で、大半の人々は元に戻ります」。一部の人たちは蹴って回復しません。一部の患者は脚を制御できないような問題を持ちます。ある人たちは絶えずめまいがあるかも知れません。あるいは職場や自宅で問題となる気分障害を持つかも知れません。ベイルズのような者が頭部に重傷を負っているなら、彼は明確な症状を示したはずです。「私は軍隊がこうした問題を診断して治療するのはずっとうまくなったと思います」。しかし、TBIは誰かの気を狂わせて、突然に大量殺人を起こさせるでしょうか?。チェスナットは個人的にはありそうにないことだと考えています。


 ベイルズは自分の武器で犯行を行っています。銃弾が被害者の体に残っているわけですから、誰の銃が撃った弾かは確認できます。彼が正気なら、武装勢力の武器を使ってタリバンの仕業に見せかけるなどしたでしょう。犯罪を隠そうとしないのは精神病の加害者に多い行動です。あるいは、飲酒や薬物で意識がはっきりしていない場合にもありそうです。精神病、飲酒、薬物のどれかが問題となりそうですが、今のところ、可能性が高いのは飲酒です。しかし、訴状に飲酒の記載がないのは気になります。もう少しこの事件は慎重に見ていくべきかも知れません。


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