エアボーンレーザー計画が終了へ

2012.3.2


 military.comによれば、米国防総省はミサイル防衛を開発するために15年と50億ドルを注ぎ込んだレーザー兵器を搭載したジャンボ機を予備役にしました。

 ミサイル防衛局によると、予算削減はエアボーン・レーザーテスト機を撃墜しましたが、対ミサイルレーザーの一部の研究は継続されます。高エネルギー化学レーザーを搭載したボーイング747はデビスモンサン空軍基地(Davis Monthan Air Force Base・kmzファイルはこちら)で保管するために送られました。この基地は軍用機の墓場として用いられます。

 ボーイング機はエドワード空軍基地(Edwards Air Force Base・kmzファイルはこちら)に配備されました。それは1996年に始まったレーザー・ミサイル防衛システムの目玉でした。それはボーイングとノースロップ・グラマン社のような航空会社を通じて、南カルフォルニアに沢山の仕事を提供しました。計画の終結は、エドワード空軍基地だけでなく、国防総省で広く、空中発射指向性エネルギーの研究における歴史的時代の終わりを意味します、とエドワード空軍基地のジェフ・ワムカ中佐(Lt. Col. Jeff Warmka)は言いました。それは1983年のレーガン大統領の戦略防衛構想に始まったミサイル防衛計画の一つでした。ミサイル防衛局は計画は2010年2月に、機体がテスト用ミサイルを追跡して、撃墜した時に、主要な目的を達したと言いました。機種に搭載されたレーザーはバスケットボール大のエネルギービームを発射して、4,000mphで飛ぶミサイルを破壊しました。しかし、2回目の撃墜テストはソフトウェアの問題で失敗しました。

 エアボーン・レーザー計画は試験段階を越えられず、予算は徐々に削減されました。ロバート・ゲーツ国防長官(Defense Secretary Robert Gates)が数年前にコンセプトが致命的に問題があると言って2機目の予算をキャンセルした時、計画は何年も遅れ、予算を大きく超過していました。ゲーツ長官は機体がレーザーを敵空域で滞空しない限り、ミサイルを撃墜するのに十分に強力ではないと言いました。彼は作戦用のエアボーンシステムは1機に15億ドルかかる航空機が20機必要になると言いました。


 やっと無駄な開発計画が終わることになりました。

 以前から、私はエアボーン・レーザーは実用化が難しいと考えてきました。ゲーツ長官が言うように、エアボーン・レーザーは面積が広い国が相手だと効果が出ないためです。

 それに私は、内陸部からミサイルを発射されると、いくら相手の空域の近くに待機しても攻撃しようがないと言ってきました。エアボーン・レーザーの射程は160kmとされ、この範囲の外のミサイルは攻撃できません。元々の開発コンセプトに問題があったわけです。

 さらに、肝心のレーザーの出力が十分に上げられなかったという問題がありました。敵国も弾道ミサイルの表面を鏡面化して、レーザー光線の多くを跳ね返すような対抗策が可能でした。高い費用を使って開発する価値があるのかという疑問が湧いてきます。

 ミサイル防衛鋭角の一角が崩れました。その他の部分がどうなっていくかも注目されます。



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