アフガン内務省施設内で米軍人2人殺害

2012.2.27


 アフガニスタン内務省で米軍人2人が射殺された事件について、military.comの記事を要約してみました。

 土曜日に銃撃者が厳重に警護された政府施設内でアメリカ人顧問2人を殺し、逃亡しています。アフガン当局者2人は省内での発砲にアフガン人は関与していないと言いました。当局者の1人は、発砲がアフガン人職員が入室できない防護された部屋の中で起きたと指摘しました。NATO軍は2人の隊員が死亡したことを認めましたが、広報官のジミー・カミングズ中佐(Lt. Col Jimmie Cummings)は「職報告は西欧人の発砲者ではなかったことを示します」と言いました。彼は詳細は提供しませんでした。匿名の米政府当局者は殺された2人がアメリカ人であることを認めました。国防総省広報官、ジョージ・リトル(George Little)は「襲撃者は不明ですが、誰が犯人かを特定する積極的な捜索が進行中です」と言いました。

 タリバン広報官、ザビウラ・ムジャヒッド(Zabiullah Mujahid)はガンマンがアブドル・ラーマン(Abdul Rahman)という名前の武装勢力だと言いました。彼は省内の共犯者が彼が施設に入るのを助けたと言いました。殺害はコーラン焼却に対する計画的対応だとしています。「攻撃の後で、ラーマンは位の高いアメリカ人顧問4人を殺害できたと電話で知らせました」とムジャヒッドは言いました。タリバンはしばしば犠牲者の数を誇張します。

 コーランとその他の宗教資材がバグラム空軍基地の焼却炉に投げ込まれたことが明らかになってから、火曜日以降、少なくとも25人が死亡し、数百人が負傷しました。

 バラク・オバマ大統領と米当局者は謝罪し、コーランを焼いたことは大変な間違いだったと言いましたが、事件は信心深い国で何千人もを抗議活動に送り出しました。

 military.comによれば、カルザイ大統領は日曜日にテレビ演説で国民に対して落ち着くように求めました。事件が明るみに出た時から4人の米兵を含む約30人が死亡しました。NATO軍と英政府は米軍顧問2人(中佐と少佐)が彼らの事務所内で頭の後部を撃たれて発見された後、自分たちの外国人顧問をアフガンの省庁から呼び戻しました。「今は落ち着きを取り戻し、我々の的にこの状況を利用させないことです」とカルザイ大統領は言いました。前例のないNATO軍職員の召還については、理解できる手順だと言いました。「アフガン人がコーランの焼却に怒っている時の一時的な手順です」。

 誰が厳重に警護された内務省で人を撃ったかや、攻撃者が逮捕されたかどうかは不明です。アフガンのマスコミは、情報源を示すことなく、警察の情報担当官が班員だと報じました。米軍は殺害された2人の名前をまだ公開していません。カルザイ大統領は、発砲に関してまだ多くは分かっていないと言いました。「誰がこれを行ったか、アフガン人か外国人かを我々は知りません。我々は事件を悲しみ、彼らの家族に哀悼を表明します」と彼は言いました。

 カルザイの訴えは抗議者たちが自制しかけている時にありました。日曜日の正午からは暴力的なデモが起きたという報告はありません。

 木曜の抗議では、ナンガルハル州(Nangarhar province)の米軍基地外の暴動の最中、アフガン兵が銃を外国人兵士に向け、米兵2人を殺しました。


 国内報道では犯人はアフガン人警察官だと報じていますが、これらの記事でははっきりとは書いていません。アブドル・ラーマンという名前は比較的ありふれた名前です。彼が警察官かどうかは記事で触れていません。タリバンは彼が武装勢力だと言っています。

 アフガン人がアクセスできない防護された部屋の中で、2人が頭の頭部を撃たれたという点は重要な手がかりです。多分、2人は処刑スタイルで殺されたと見るべきでしょう。犯人は2人に銃を突きつけて、後ろを向かせ、跪かせてから頭を撃ったのです。犯人が部屋の中に隠れていたのか、2人が中にいる時に外から侵入したのかは分かりません。部屋の警護システムがどのようなものかが不明なので、犯行の様態も不明です。

 死んだ2人には気の毒ですが、これはタリバンの活動には「金星」です。外国人顧問をアフガン政府施設から引き揚げさせ、内務省すら安全でないと知らしめたのです。

 このように、ゲリラ戦ではあらゆる手段が試され、実行されるということを、我々は知らなければなりません。戦闘任務ではないことを理由に、自衛隊を外国に派遣した場合でも同じことが言えます。現地の紛争相手は日本国内の都合など念頭にありません。攻撃が可能だと思えば攻撃してくるのです。


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