海兵隊狙撃部隊が「SS」マークを使用

2012.2.11


 military.comによれば、米海兵隊は偵察狙撃部隊がアフガニスタンでナチスの「SS」の図像を用いたことを非難しました。これはオンライン上の写真から木曜日に明らかになりました。

 2011年5月にウェブサイト「Knights Armament Blog」上に1枚の写真が投稿されました。それには簡単な記事と部隊(サンギン州にいた第1偵察大隊)のその他の写真と共に投稿されました。写真を見て怒った海兵隊員が「軍隊の信仰の自由財団(the Military Religious Freedom Foundation)」を率いる弁護士、マイキー・ウェインスタイン(Mikey Weinstein)に写真を送り、事態が発覚しました。ウェインスタインは彼自身の非難をつけて、写真をマスコミに送りました。「これは人々に我々がナチスのようだと考えているように思わせます」「それはアメリカを嫌うすべての人にとって掘り出し物です」。

 2010年に撮影された写真の中で、海兵隊員は星条旗の真下にあるSS旗と一緒にポーズを取っています。ブログ上にはない、ウェインスタインが提供した別の写真の中では、SSのマークは海兵狙撃兵のライフル銃の上にあります。

 今日発表された声明の中で、海兵他院は11月に写真を認識し、写真の中の隊員はすでにこの部隊にはいないと言いました。「疑いなく、『SSのルーン文字』は受け入れられず、偵察狙撃兵はこの問題に取り組んでいます」「ご安心ください。海兵隊は『SSのルーン文字』を使うことを認めません」。

 military.comの別の記事によると、海兵隊は狙撃兵を処罰するつもりはないというものの、バラク・オバマ大統領( President Barack Obama)が調査を命じ、兵士に責任を求めています。

 海兵隊は悪意のある意図はないことから処罰は予定しないと言いました。海兵隊員は青い旗の中に白い稲妻の形の「SS」は、大勢のユダヤ人を殺したアドルフ・ヒトラーの特殊部隊ではなく、偵察狙撃兵(sniper scouts)を指すと過って信じたと、ペンデルトン基地(Camp Pendleton)広報官、ガブリエル・チェイピン少佐(Maj. Gabrielle Chapin)は言いました。海兵隊員はすでに第1偵察大隊C中隊にはいません。彼女は彼らが海兵隊を去った理由は知らないと言いました。軍当局は11月に写真について知り、すぐに調査を行いました。

 「Los Angeles' Simon Wiesenthal Center」の創始者、マービン・ヒア師(Rabbi Marvin Hier)は、これが悪意のない間違いだとは思えず、アメリカ国民は何が起きたのかを知る権利があると言いました。彼の組織は400,000人以上のメンバーを持つ最大の国際的ユダヤ人人権グループで、オバマ大統領とレオン・パネッタ国防長官(Defense Secretary Leon Panetta)に別の調査を始めて、関係者を処罰するよう求めています。「米軍がナチスドイツからヨーロッパを開放するのを助けてから70年後、アフガンに勤務する海兵隊部隊がSSの記章を星条旗と共に選んだことを知ることは、悪名高いシンボルに対抗して自由を守るために命を賭けた約200,000万人のアメリカ人の記憶を冒涜します」と彼は声明で言いました。マイキー・ウェインスタイン(Mikey Weinstein)が率いる「the Military Religious Freedom Foundation」は、ジェームズ・エイモス海兵大将(Gen. James Amos)とパネッタ長官に書簡を送り、「この吐き気を催す展示を明確に、直ちに非難し、関係者すべてを厳しく処罰」するよう要請しました。

 彼の組織は海兵隊員と「SS」のロゴがある彼のライフル銃が写っている別の写真を公開しました。「the Marine Corps Times」によれば、写真に組み込まれた電子情報は、それが2004年に海兵隊によって公表され、海兵隊航空・地上戦闘センター(the Marine Corps Air Ground Combat Center)で撮影されたことを示しました。写真の海兵隊員2人は偵察狙撃小隊と共にいました。

 ペンデルトン基地広報官、マーク・オリバ上級曹長(Master Gunnery Sgt. Mark Oliva)は、「SS」旗がどこから来たのかは分からないが、恐らく写真の海兵隊員一人の持ち物だろうと言いました。「これだけ多くの注意を得たので、私は指揮官すべてが部下の海兵隊員をより詳細に観察して、彼らを高い規律の基準を満たさせることを確信します」。

 military.comの別の記事によれば、パネッタ国防長官は海兵隊に写真について調査するよう要請しました。

 人種差別的で半ユダヤ的なシンボルは米軍の男女と共にいる余地はまったくありません」とパネッタ長官の広報官、ジョージ・リトル(George Little)は言いました。


 どうして狙撃部隊は次々と問題を起こすのでしょう。テロと関係のない者を射殺したり、死体に小便をかけたり、いまや米軍のお荷物です。「SS」がナチスの親衛隊のマークだと知らずに使っていたようですが、無知も甚だしいことです。皮肉屋たちは「それが狙撃部隊の本質だ。あいつらは全員ナチ野郎だ」と言い捨てるでしょう、

 警察が狙撃チームを創設する際、普通なら「特別攻撃隊(Special Attack Team)のような名前にするところを、「特殊武器戦術隊(Special Weapons and Tactics )」のように攻撃性を薄める名前にしたことがありました。当時は犯罪を行う者はアフリカ系人種が多く、銃器は白人の文化とみなされていました。白人がアフリカ系人種を銃で撃ち殺す暗殺チームのようにみなされることは、警察活動にとってマイナスという判断だったようです。そんな英知すら、今のアメリカにはないのかという気分です。テロと戦うためなら何でも許されるという傲慢と無知が米軍には蔓延しているのかも知れません。

 パネッタ長官は軍の不祥事には厳しい人ですから、軍籍がある者には厳しいでしょう。すでに除隊している者をどうするかという問題がありますが、人権団体が告訴する可能性もありそうです。多分、写真に写っていた元海兵隊員たちは弁護士を通じて、悪意はなかったと声明を出すことでしょう。


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