急転直下 北朝鮮が銀河3号を打ち上げ

2012.12.12
追加 同日 11:40


 分解されていたはずの銀河3号が本日、午前9時51分に打ち上げられ、予告していた通りに、分離した機体が落下したということです。

 どうやら、機体のすべてを分解して発射台から撤去したという情報は間違いで、3段機体だけを交換したと考えた方がよさそうです。それにしても、ひどい間違いです。韓国筋の情報だったと思われますが、米諜報機関がどう分析していたのかが気になるところです。報道の中には、米韓両政府の見解であるかのように書いている記事もあるからです。これも間違いなのかも知れません。米政府から、計画が遅れているだけで、変更はないというコメントも出ていました。これが韓国の諜報活動の限界だとすると、その信頼性を揺らがせる大きな問題です。しかし、ジョンズ・ホプキンス大学の北朝鮮研究グループも、機体全体が分解されたことを前提にして、打ち上げは21日以降という見解を出していました。誰がどういう間違いをしたのかは、今後、検証する必要があります。

 JNNの報道では、韓国政府筋の情報として「技術的欠陥が見つかったとされる1段目だけでなく、最上部の3段目まで分離されている」としています。チャールズ・ビック氏が10日の衛星写真を見た上で、「シートの具合を見ると『発射台の上の部分』が1度開けられ、また閉じられたように思われる。彼らは3段目の交換作業をしている。3段目は全体を制御する要の部分ですから」とコメントしたとも書いています。これが本当なら、確かに機体全体を撤去したという話は疑わしくなります。全体を撤去するのなら、開けたシートをまた閉じる必要はなく、シートをすべて撤去してから、機体を撤去することになるからです。

 とにかく、発射された以上は、その軌道をできるだけ確認したいと思います。今後出てくる情報にさらに注意していきます。

 追加します。38north.orgの記事を確認したところ、11日に公表されたレポートに、すべての機体が発射台から撤去されたという韓国の報道は間違いであるという見解が冒頭に書かれています(記事はこちら)。このレポートを確認しておくべきでした。これからレポートを読んでみます。



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