シンクレア准将は有罪でも処罰されない?

2012.11.9


 military.comによれば、米陸軍女性将校2人は、ジェフリー・シンクレア准将(Brig. Gen. Jeffrey Sinclair)にヌード写真を提供したと水曜日に証言しました。

 既婚者の大尉は、彼女のヌード写真を送るように、シンクレア准将から繰り返し求められ、彼女はそれを不快に感じていたと証言しました。結局、彼女は顔を見えないように切り取ったポルノ写真をダウンロードして准将に送りました。女性大尉は准将と性的関係はなく、個人的に3回会っただけだと言いました。彼らの関係は主に電子メールを介していました。軍は証言した女性を調査しましたが、彼女はシンクレア准将との関係について、ポリグラフのテストにパスしました。彼女は懲戒状を受け取りましたが、それは保留の状態で、証言するように命じられました。

 女性の少佐も、彼女の胸部の写真と個人的なビデオをシンクレア准将に送ったと、水曜日に証言しました。少佐はシンクレアの指揮下で中隊長を務め、彼の指揮系統から外れた後に友人となったと言いました。少佐は豊胸手術の前と後の写真をシンクレア准将に送ったと言いました。彼女はビデオも送りました。少佐は陸軍から処罰され、証言するよう命じられたと言いました。少佐は不倫について調査され、ポリグラフテストを受けて、パスしました。しかし、彼女はみだらな行為について処罰されました。

 シンクレア准将は、軍事法廷で有罪を宣告されれば、最大で終身刑の可能性があります。しかし、軍事法廷のシステムには最小限の処罰や量刑手続きのガイドラインはなく、それは准将が有罪判決を受けても、処罰をされないことを意味します。彼は退役するか、降格も強いられます。


 将官の裁判は非常に少ないので、こういう法体系だということに気がつきませんでした。シンクレア准将に有罪が宣告されることは間違いがありませんが、最高刑でも終身刑であり、実際に、収監されることもないというわけです。

 中堅将校は処罰されることがあります。当サイトで紹介してきた事件のいくつかには、将校が処罰された事例があります。

 映画『ラスト・キャッスル』では、中将の主人公が軍刑務所に収監されていました。この作品を観た時に少し違和感を感じたのですが、改めて確認する必要があると思いました。

 過去の記事を見ると、退役した将官が軍事裁判を受けるために現役に復帰させられることがあるのが分かります(関連記事はこちら)。この記事では、不名誉除隊もあり得ると書いてあります。別の記事では、将官にそういうことはないと書いてあったと記憶するのですが、この辺は米軍の軍法をさらに知る必要がありそうです。

 いずれにしても、シンクレア准将は退役するしかないでしょう。降格を受け入れることは考えられません。



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