米陸軍将官が女性に不適切な性行為で裁判へ

2012.11.6


 米国陸軍が現役将官を部下4人を含む女性5人に対する性犯罪で逮捕するという、非常に稀な事件をmilitary.comが報じました。

 ジェフリー・シンクレア准将(Brig. Gen. Jeffrey Sinclair)に対する、いわゆる第32条の審問がフォート・ブラッグ基地(Fort Bragg)で月曜日に始まりました。審問は2日続く予定です。

 シンクレア准将は強制的で、アナルセックス(sodomy)の強制、不適切な性行為、命令違反、不適切な関係への関与、政府発行の旅行用クレジットカードの乱用、ポルノ写真の所持、派遣中の飲酒で起訴され、軍事法廷に直面しています。彼は今年5月に申し立てのために帰国させられるまで、2010年7月から師団の補給支援担当の副指揮官でした。

 陸軍は稀な高級将校の犯罪に、目下のところ、詳細を伏せたままです。これは、検察官が速やかに起訴書面を公開する、他の衆目を引く事件と違っています。

 3月に、陸軍はアフガニスタン人17人を虐殺したロバート・ベイルズ2等軍曹の、証拠を列挙した犯罪記録をすぐに公開しました。

近年、軍事法廷に起訴された陸軍将官は他に2人だけです。

 月曜日の審問で、シンクレア准将の事件は、2007〜2012年の間に、イラク、アフガン、ドイツ、フォート・ブラッグ基地、フォート・フッド基地(Fort Hood)で起きたと申し立てられました。

 ある事件で、シンクレア准将は、自分の行為を誰かに話せば、女性のキャリア、彼女と彼女の親族の命を脅かすと脅しました。

 シンクレア准将の弁護士、ジャッキー・トンプソン中佐(Lt. Col. Jackie Thompson)は、検察官が准将と弁護士の内密の電子メールを読んだと主張し、基礎棄却を求めました。トンプソン中佐は、これは依頼人の権利を侵害しているとし、検察官の交代を求めました。

 審問の裁判官は、書類を審査するために法的ながら助言を得るため、月曜日午後まで、休廷を宣言しました。


 この事件には驚かされました。詳細は分からなくても、ポイントになる部分がいくつかあります。

 まず、将官が起訴されるのは、極めて稀で、しかも性犯罪という点で、シンクレア准将は陸軍史に名を留めることになります。

 アナルセックス罪は最高刑が死刑で、過去に死刑が執行されたことがあります。将官での事例があるかは知りませんが、果たして、陸軍法廷は死刑を執行できるのかという問題は、最大の関心事です。考えやすい結末は、これまでの准将の国への貢献を罪から割り引いて、死刑を回避することです。しかし、これでは下級兵士から不公平だと不満が出るでしょう。

 トンプソン中佐の主張はもっともです。検察官が電子メールを見た経緯は明らかにされるべきです。しかさは、罪状が深刻すぎるので、この抗議は却下されるでしょう。

 さらに、この事件を契機に、アナルセックス罪の廃止、改正への動きが出るかも知れません。条文には明記しないものの、この罪はもともと同性愛を禁止するために設けられたものであり、現代では受け入れられにくいものになっています。刑罰から死刑を除くとか、廃止して強姦罪にアナルセックスも含めるという選択肢があります。

 「sodomy」というアナルセックス罪の名称は、聖書のソドムとゴモラの逸話から来ています。どちらの都市も道徳的に堕落したので、神が滅ぼしたとされています。ソドムは同性愛が蔓延したとされ、同性愛差別の理由になっています。これはキリスト教的な価値観の産物であり、同性愛者が生まれるのは自然のなせる業という科学的見解と対立しています。だから、法が差別を助長しないように改正するのです。

 この事件は単なるスキャンダルではなく、米軍の軍法を変える可能性があるのです。



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