シリア反政府派が東部の空港を奪取

2012.11.19

 BBCによれば、シリアの反政府派がイラクに近い空港を確保したと言いました。

 デリゾール州(Deir al-Zour province)の、アル・ブカマル(Albu Kamal・kmzファイルはこちら)に近い、ハムダン空港(The airport of Hamdan)は、政府軍によって軍用に転換されていました。人権団体「The Syrian Observatory of Human Rights」は、反政府派は現在、この地域の広い、帯状の地帯を支配しているといいました。


 記事は一部を紹介しました。

 先日もこの地帯のアル・ワード油田が反政府派に支配されたという報道がありました(関連記事はこちら)。この油田はアル・ブカマルから50km北にあります。

 この記事で重要なのは、帯状の地域を反政府派が支配しているという部分です。「帯状の地域」とは、ユーフラテス川沿いの、農村と都市が混在する地帯のことです。米軍のイラク侵攻後、 アルカイダの戦闘員がイラクに侵入するために使ったルートがここでした。東部からのルートはアレッポにつながっており、シリア北東部はかなりの部分反政府派が確保している可能性があります。支配地域は具体的に知りたいところですが、相変わらず、反政府派の広報活動は低調です。見えないところで、戦況はかなり進展しているとみるべきです。



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