フランスがシリア反政府派に武器提供を検討

2012.11.16

 BBCによれば、フランスのローラン・ファビウス外務大臣(Foreign Minister Laurent Fabius)が、シリアの反政府派に武器を供給することを検討すると言いました。

 フランス政府の計画は、反政府派戦士に「防衛用武器」をもたらすために欧州連合のシリアへの武器禁輸を軽減することです。

 「当面、禁輸措置があるので、ヨーロッパ側から送られる武器はありません。この問題は…多分、防衛用武器のために提起されるでしょう」とファビウス外務大臣はフランスのRTLラジオに言いました。「(反政府派)同盟が我々にそうするよう要請しているので、この問題は提起されるでしょう」「これは我々がヨーロッパ人と協力してできる唯一のことです」。彼は、フランス政府が解決についてロシア政府とラハダル・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)国連特使と話し合っているところだと言いました。

 ロシア外務省広報官、アレクサンダー・ルカシェビッチ(Aleksandr Lukashevich)は、シリアの反政府派への外国の軍事援助は国際法に著しく違反すると言いました。

 フランスのフランソア・オランド大統領(Francois Hollande)はシリアの反政府派同盟の代表、アハメド・モアズ・アル・ハティブ(Ahmed Moaz al-Khatib)とパリで土曜日(イギリスのハーグ外務大臣と会う予定の翌日)に会うと言いました。

 トルコのアーメット・ダボトグル外務大臣(Foreign Minister Ahmet Davotoglu)は、ジブチのイスラム協力機構(the Organisation of Islamic Cooperation)の会議で、トルコがシリアの反政府派同盟を承認すると言いました。


 記事はごく一部を紹介しました。

 西欧諸国が武器を提供する以上、戦争のルールを理解して、守ってもらわないと困るという要求が出るはずです。捕虜を処刑したり、虐待すると、武器を提供している外国政府は「国際法違反に協力している」と体面を失うことになります。革命を成功させるために、反政府派同盟は、こうした要請を守る必要があります。

 ロシアが国際法違反というのは、シリアでの自国武器市場が小さくなることを恐れている面もあります。しかし、現地で撮影された映像を見ると、アメリカ製の小銃も出回っていることが分かります。これらは多分、イラク・アフガニスタン戦で武装勢力に奪取されたり、アフガン軍が横流ししたものが、流れてきたものと思われます。すでにかなりモザイク状態になっているのが現状でしょう。ロシアには、革命成功後に新政府と契約交渉をしてくれと言いたいところです。

 あとは、どんな武器をどれだけ提供するかという問題です。小銃類はかなりあるでしょうし、弾薬もすでにアラブ連盟などから提供されているかも知れません。武装勢力に利用されにくい、効果的な武器でなければなりません。RPGのような武器、目視で照準する対空機銃程度までで、高度な対空ミサイル、より射程の長い対戦車ミサイルをどうするかです。あまりにも高度な武器を提供すると、それがアルカイダなどに流れる恐れがあります。あとは迫撃砲ですね。「テクニカル」と呼ばれる重機をピックアップトラックに積んだ武器のように、迫撃砲をトラックの荷台に積んで、自走迫撃砲にする方法です。発射したらすぐに移動する、小回りのきく支援火力があれば、反政府派に力がつきます。

 一番最後の、トルコが反政府派同盟を承認したことは非常に大きいと言えます。なぜなら、革命の最終段階になって、トルコ空軍が空爆による支援を行う可能性があることを、シリア政府に暗示するからです。 アサド政権にすれば、これは最後の希望を断ち切られるような、ぞっとする話です。



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