シリア反政府派の統一団体が結成

2012.11.12


 BBCの記事から、シリア国家評議会の新議長、シェイク・モアズ・アル・ハティブ(Sheikh Moaz al-Khatib)に関する記事を紹介します。

 ハティブ氏は52歳で、シリア政府に何度か拘留された後、7月にダマスカスからカイロへ逃げました。7月にロイター通信とのインタビューで、彼は「私はシリアの人びとに一つのままでいて欲しいのです」と言いました。先月、ドーハでの演説で、彼はシリアをさらなる破壊から救う政治的解決を要請し、交渉は政権を救うことはなく、最小限の危害での出発を可能にすると言いました。

 新組織は「反体制軍とシリア革命の国家評議会(the National Coalition for Opposition Forces and the Syrian Revolution)」という名称です。ドーハでの会合の1週間後に形成される、このグループは、リアド・サイフ(Riad Seif)と非宗教の活動家、スハイア・アル・アタシー(Suhair al-Atassi)の副代表が2人います。

 ベイルートにいるジム・ミュアー記者(Jim Muir)は、この同盟の指導者は、来たるべき段階にシリアの反政府派の声と顔となる、慎重にバランスをとったチームだと説明しました。これまで主要な反政府派と認められていたシリア国家評議会(The Syrian National Council)は、新しい反政府組織で脇に追いやられることを心配していました。ある会合の情報源はロイター通信に、シリア国家評議会は圧力の下で合意しただけで、参加を問う、現地時間午前10時の期限を与えられていたと言いました。

 新組織はシリア国家評議会に不満を表明したアメリカの後援で、サイフ氏によって提案されました。彼は12カ条の合意が決定されたと、日曜日に確認しました。新体制への提案には、55〜60人のメンバー、国際的な承認を模索する指導者による集会を含みます。体制はクルド人、キリスト教と、アラウィー派、女性の代表がいます。自由シリア軍は新しい反政府組織でより強力な役割を演じます。クルド人は指導者の承認を決めるために48時間を要求しました。新体制は、自由シリア軍を含めた軍評議会も催します。会合が始まった先週、ドーハにいたジム・ミュアー記者は、新体制の後援者は、シリア反政府派の主流を強化して、過激派をすべて外すことを望むだろうと言いました。

ハティブ氏のプロフィール

  • 1960年生まれ
  • ダマスカスの大ウマイヤド・モスク(Grand Umayyad mosque)で長年努めた導師(イマム)の息子
  • 応用地球物理学を研究
  • 大メイヤード・モスクで導師を努める
  • シリア軍情報部に拘束
  • 2012年7月にカイロに出国

 とにかく、アサド退陣後の道筋ができました。非宗教的な団体となったことは、国際社会に歓迎されます。

 心配なのはシリア国家評議会が対立軸を作ることですが、頑強なシリア軍が存在している内は、対立は大きくならないでしょう。これを機に、広報部門を強化して、戦況に関する情報を発表して欲しいものです。

 当面の問題は、支援国が反政府派に対空ミサイルを提供するために、反政府内からイスラム過激派を追放するかどうかです。戦力として欠かせないのなら、革命が終わるまではいてもらうという選択肢もあり、これが最も現実的でしょう。冬に備えて医療品、燃料などの提供をどうするのかといった重要な問題も控えています。

 リビア型のイスラム民主革命の形ができつつあります。将来、これは他の国にも必ず波及していきます。



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