瓦礫撤去の手伝いを自画自賛の海兵隊

2012.10.29


 military.comによれば、沖縄の海兵隊が台風で家を壊された住民を助けました。

 台風ジェラワット(Typhoon Jelawat、台風第17号)の暴風雨が9月29日に辺野古地区を通過し、トクダ・レイコ(Reiko Tokuda)の家と所有物を破壊しました。しかし、トクダはどのトンネルも出口は明るいと信じています。雨の寒い日、第3海兵遠征軍第3海兵師団戦闘強襲大隊の海兵隊員と水兵がトクダの部分的に壊れた家を解体し、土地を綺麗にするのを手伝うのに志願した時、彼女のカタストロフに光が射しました。

 必要な時に隣人に手助けを提供して、奉仕作業は海兵隊と辺野古のコミュニティとの長年の関係を維持して来たと、戦闘強襲大隊に配属された電気整備士のダニエル・A・バルデス1等軍曹(Gunnery Sgt. Daniel A Valdez)は言いました。

 自然災害がどこでも、いつでも、誰にでも起こり得ることを知り、志願者の多くはトクダ一家に共感しました。「母なる自然は予測できず、私たちは家が壊れるなんて、まったく予測できませんでした」とトクダは言いました。

 厳しい気象条件に関わらず、志願者と住民は片付けを完了するための重労働を続けるためにずぶ濡れにも負けませんでした。

 意志疎通の障害が少しありましたが、志願者はある海兵隊員のおかげで、障害を克服しました。「私は日本語を話す技能で住民を快適にできました」と戦闘工兵で大隊付きの通訳のアーロン・S・カング伍長(Cpl. Aaron S. Kang)は言いました。「言葉の障害はあったものの、隊員が打ち込んだ努力の総量は彼らの意図を大いに物語りました」。

 バルデス軍曹によれば、こうした出来事は米日同盟を強化し続けます。海兵隊員と水兵は自分たちの予定から時間をとって、困っている他者を助けることの価値も学びました。「この出来事は、私に自分の時間を差し出し、沖縄全土のコミュニティにさらに尽力しようと思わせました」とカング伍長は言いました。

 トクダによれば、キャンプ・シュワブ(Camp Schwab)の隊員と辺野古のコミュニティの関係は、二者が共に働き、互いに助け合うたびに成長するでしょう。「私たちは感謝します」「この重労働をしてくれた隊員に感謝します」。


 この記事は海兵隊の公式サイトの「Marine Corps News」へ最初に掲載されました。よくもまあ、こんな脳天気な考えができるものだと、私は呆れました。だから、あえて全文を紹介することで、海兵隊の意識を知ってもらおうと思います。

 元記事は25日に掲載されています。つまり、先月末に起きた台風被害を、1ヶ月近く経ってから援助に行ったのです。これはいかにも不自然です。米軍兵士による女性暴行事件が起きたのは今月16日です。この事件に関係がないと考えない訳にはいきません。カング伍長が教訓を学んだと言うのなら、彼は自分の時間を削って繁華街に出かけ、問題を起こす米軍兵士をやっつける、『スパイダーマン』みたいな役割を演じるべきです。きっと、沖縄県民から感謝されることでしょう。

 すでにこの種の努力で米軍が信頼を勝ち取れる段階は過ぎていると私は考えます。28日に佐世保市で、米海軍2等兵曹が駅ホームで死んでいるのが発見されました。彼は泥酔して電車によじ登り、感電死したとみられます。こうした行動をする者が1人いるだけで、ずぶ濡れのボランティア活動の効果を打ち消してしまうのです。

 今までに、米軍は問題を起こす度に、こういう奉仕活動をやって来ました。そして、また犯罪が繰り返されてきたのです。だから、片付けを手伝ってくれたから感謝すべきだという話にはなりません。

 それでも、本国向けに海兵隊がこういう活動をやっていることを示す必要があるのです。参加すれば、上官は評価し、善行章をもらいやすくなるかも知れません。兵士が努力して地元民と仲良くやっていますという構図を演出しなければならないのです。結局のところ、それは沖縄県民のためではなく、アメリカ国民のためです。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.