シリアで戦闘が継続、詳細は不明

2012.10.2


 BBCがシリアの戦況に関する情報をいくつか報じました。

 人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」は、シリア軍兵士18人が中部のホムス(Homs)からパルミラ(Palmyra)への幹線道路上で反政府派の待ち伏せで死亡し、北西部のサルキン(Salqin)で政府軍の空襲で30人が死亡したと言いました。バス、トラック、車が連続するIEDの攻撃で狙われました。情報は独自に確認されていません。

 サルキンには大量の爆弾が投下され、いくつかの建物に命中し、インターネットに投稿され、信憑性が確認されていない映像は、ひどく焼けた死体を示しました。犠牲者の幾人かは子供でした。ビデオの一つは息子が殺されたと叫ぶ男性を、別の映像では同じ家族と説明される子供の死体3体が示されました。

 反政府派がアレッポから駆逐する作戦を宣言してから数日、まだ戦闘は続いています。反政府派と政府軍は有名な古代の市場での戦闘を行っているとされます。市場の多くの露店は金曜日に始まり、翌日まで続いた火事で破壊されました。アレッポの13世紀の城塞とその市場を備えた旧市街は、6カ所あるユネスコの世界遺産の一つです。

 シリア政府は最近、化学兵器の備蓄があることを認め、レオン・パネッタ国防長官(Defence Secretary Leon Panetta)は先週、シリアの化学・生物兵器基地の安全に若干の懸念があると言いましたが、多くの基地は安全であることを認めました。シリアのワリド・ムアッリム外務大臣(Walid Muallem)は「シリアの化学兵器の話は米政権のでっち上げだ」と言いました。


 国連でムアッリム外務大臣が反政府派を支援しているとして、アメリカなどを避難した部分は省略しました。そうした情報は他のニュースサイトで手に入りますし、当サイトの目的は軍事面の解説を試みることです。

 今回の情報も各地の情報を断片的に伝えているだけで、戦況を掌握するには至りません。概況なりとも分かるのは、数日先かも知れません。シリア政府が何も発表していないところを見ても、政府軍が優勢というわけではなさそうですが、反政府派が決定的な勝利を得たとも言えません。

 シリア軍は重火器を持っています。それらを相手にして、アレッポから駆逐できると宣言した反政府派には、どのような根拠があったのかが気になります。あるいは、総攻撃を宣言し、各地からアレッポへ送られる増援部隊を途中で攻撃するつもりなのかも知れません。アレッポから政府軍を追い出すには、周辺にある軍基地と弾薬庫を攻撃し、占拠する必要もありますが、それに成功したという話もありません。

 ムアッリム外務大臣は国連で演説して、アメリカなどを名指しで避難しましたが、もはや国際的な世論は反政府派へなびいています。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.