シリア空軍情報部爆弾事件の詳細

2012.10.10
追加 同日 17:00


 BBCが、シリアのハラスタ(Harasta)にある空軍情報施設の外で爆発物を乗せた車を使った攻撃について詳細を報じました。

 住民は激しい戦闘に続いて、いくつかの大きな爆発があったと言いました。活動家のグループは何十人もの人が死に、この部局の囚人の運命について恐怖を表しました。人権活動家は2011年3月に反乱が始まって以来、大勢の反体制派が空軍情報部に拘束され、拷問されていると言います。空軍情報部がシリアの情報界の精鋭機関とみなされています。軍情報部より小さいものの、空軍情報部は過去、海外の秘密工作とイスラム主義の反体制派グループに対する作戦を主導してきて、残忍だという評判です。

 アル・ヌスラ戦線(al-Nusra Front)の声明は、最も悪名高い治安機関の一つであり、その規模は神のみぞ知る抑圧の城であることを狙った理由だと言いました。このグループは1月以来の一連の爆弾を行ってきたと主張し、9トンの爆発物を積んだ車をハラスタの空軍情報部へ運んで、爆破したと言いました。25分後、別のアル・ヌスラ戦線の戦闘員が、1トンの爆弾を救急車の中に隠し、生存者を狙いました。それから戦闘員たちは迫撃砲を施設へ向けて撃ちました。

 人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は、いくつかの巨大な爆発がハラスタ、ジョバ(Jobar)とケブン(Qabun)を一晩中揺るがしたと報告しました。爆発は激しい戦闘に続き、政府軍は重火器と迫撃砲を撃ちました。同団体のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdul Rahman)は、大勢の人が自爆攻撃で死んだと言いました。「(情報施設の)地階に拘留されている大勢の囚人の運命は未だ分かりません」「政権は昨晩起きたことについて何も言いません」。

 火曜日に、政府軍はホムス(Homs)の反政府派への攻撃を続けました。国営テレビは、兵士たちはカリディヤ地区(Khalidiya district)のほとんどを占領し、テロリストの残りを追いかけていると言いました。軍用機と大砲がホムスのカリディヤ地区を狙っていました。


 記事の一部は省略しました。

 この自爆攻撃のやり方はイラクで散々繰り返された方法に似ています。まず、大きな爆発を起こして、救援に来た人を狙って、次の爆発を起こすのです。そのために救急車を使うという周到さです。

 多分、最初の車が接近するのに気がついた警備兵が発砲し、そこへ車が突入して爆発したのでしょう。

 重要な治安機関であるだけに、シリア政府は被害を隠すはずです。反政府派も直接は知りようがありませんが、CIAのような機関から被害評価をもらえるかも知れません。

 内乱全体の戦況は相変わらず分かりません。アレッポの反政府派の攻勢はどうなったのでしょうか?。シリア政府はおろか、反政府派からの発表すらありません。

 その最中にホムスで政府軍の攻勢が報じられました。反政府派は危なくなったら撤退し、他の地域で活動するだけなので、ここを制圧しても、反政府派の戦闘員をたくさん殺さない限りは意味がありません。だから、そういう発表があるかがポイントです。

 こういう重要な情報がここ数日中に出てくる可能性があります。



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