米機密報告書:アフガン戦は手詰まり

2012.1.14


 military.comによれば、米当局者は、諜報機関がタリバンは武力でアフガニスタンを取り戻そうとすることに専念しており、NATO軍との発展しかけている和平交渉はリップサービスに過ぎないかも知れないと考えています。

 現役2人と退役1人の米当局者は、機密の「Afghan National Intelligence Estimate」について話すために匿名を希望しました。最新の報告書は、アフガン政府のあらゆるレベルでの汚職はNATO軍が獲得した治安を遙かに上回り、戦争が手詰まりにあると宣言しました。昨年の報告書は戦争について似た調査結果でした。

 報告書は、特殊部隊の急襲と地元アフガンの治安を強化する計画は、幾分タリバンを退化させるのに有効なものの、それはNATO軍がその地域から引き揚げるとすぐに戻ってしまいます。この報告書は複数のメディア機関で要約されました。


 非常短い記事ですが、それは機密情報を引用しているためでしょう。本当に要旨の部分しか言及できないのです。

 しかし、手詰まりという見解は、私の見解と合致しており、非常に興味深く感じました。これは最後の期待であったスタンリー・マクリスタル大将の戦略も最終的な解決策にならないことを明確にしています。マクリスタル大将は失言で解任されたものの、彼の戦略はその後も、夜襲の継続という形で続けられたと理解していますが、それも一定の成果しかない訳です。

 やはり、ヘルマンド州での作戦は失敗しており、タリバンを弱体化することはできなかったのです。タリバンはアメリカが撤退すると決めたために、和平交渉に乗る姿勢を見せ、適当に戦いながら米軍の撤退を迎え、その後にゆっくりとアフガン政府を倒して、自分たちが政権の座に就くという選択肢を選んだのです。明らかにタリバンの方が戦いの巧者であり、この戦略は成功する可能性が高いと、私は考えます。



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