反政府派はバニ・ワリドが降伏すると予測

2011.9.4


 先ほど掲載したワシントン・ポスト紙の更新された版についてコメントします。

 リビアの反政府軍広報官は、バニ・ワリド(Bani Walid)の部族長は分裂した支持者同士が戦うのを見るよりは、降伏すると思っていると言いました。

 アーメド・バニ大佐(Col. Ahmed Bani)は、バニ・ワリドを支配する部族、ワルハラ(the Warfala)が反政府派に参加するかどうかで分裂していると言いました。彼はワルハラ族がお互いに戦うのを避けるために降伏すると言いました。「彼らは親類であり、互いの血を流すのを望まないので、最後には諦めるでしょう」。

 バニ大佐は、バニ・ワリドの住民が、カダフィの息子、サイフ・アル・イスラム(Seif al-Islam)がバニ・ワリドに逃げたものの、街の人々が彼を反政府軍に引き渡すのを恐れて最近去ったと反乱軍に話したと付け加えました。


 やっと、バニ・ワリドの内情が見えてきました。意見の対立があるということは、バニ・ワリドの内部に反政府派につく者たちがいるということで、カダフィ支持派は両方と戦わなければなりません。多勢に無勢であり、骨肉の争いとなります。それを避けるには降伏敷かないという見方は十分に成り立ちます。

 サイフ・アル・イスラムの動向が見えたことも興味深いことです。やはり、裏切り者を恐れて、街には近づけないということです。私の先だっての予測と実状はかなり近いのではないかと思っています。カダフィ大佐らはこうして南部で隠れ回っているのか、すでにアルジェリアのような隣国に逃げたのかは分かりませんが、疑いなく予測したルートで逃げており、しかも追い詰められています。



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