バニ・ワリドで激戦が続く

2011.9.11


 BBCによると、バニ・ワリド(Bani Walid)ではカダフィ軍が戦闘を続け、暫定政権軍は占領を完了できないようです。

 先に街を占領できると予測した暫定政権軍ですが、まだ中心部へ到達しようとしています。一晩中交戦があり、撃ち合いがあり、ロケットが着弾しました。最新の報告は、NATO軍が街を空爆したといいます。少なくとも5回の爆発があり、NATO軍の航空機が上空にいるのが見られました。その前に、暫定政権軍はNATO軍の空襲を予期して、バニ・ワリドから引き揚げました。「野戦指揮官がNATO軍がすぐに空爆をするから撤退するように言いました」とある戦士はロイター通信に言いました。

 一方、国際通貨基金は国家暫定評議会をリビアの新しい政府として承認しました。

 バニ・ワリドの端にいるBBCのリチャード・ギャルピン(Richard Galpin)は、一晩中、暫定政権軍の犠牲者は街の郊外にある病院に運ばれていたと言いました。予測したよりも多くの敵がカダフィ軍が街の中にいたと、彼は言います。土曜日に、新兵の車列が前線に向かっているのが見られました。暫定政権軍指揮官は金曜日に、カダフィ軍の攻撃の攻撃の後で突入するしかなかったと言いました。

 シルト(Sirte)の近くでも激戦がありました。暫定政権軍は接近戦で多くの犠牲者が出て撤退を余儀なくされたと、広報官の1人が言いました。

 ニジェール政府は、カダフィ大佐が亡命者保護を求めた場合、どうするかについて明確に言いませんでした。数十年間の権威主義の後で民主主義を取り入れたニジェールの当局者は、彼らが多くのサハラ以南のアフリカ人を人道的な理由で入国させていると言いました。

 カダフィ大佐とサイフ・アル・イスラム(Saif al-Islam)の居場所はまだ不明だと、特派員は言います。国際刑事裁判所は、金曜日に、人道に対する犯罪で、カダフィ大佐とサイフ・アル・イスラムと情報局長、アブドラ・アル・サヌーシ(Abdullah al-Sanussi)に逮捕状を出しました。


 この記事は日本時間の深夜に更新された後、そのままになっています。進展があった場合、早朝でも更新されるもので、BBCのテレビニュースでも変化を報じていませんから、現地では大きな進展がないのだと思われます。

 明らかに情報が少なくて、はっきりと分からないものの、暫定政権軍は街の北半分を占領し、そこから南半分へ進撃できていないのかも知れません。そこで、NATO軍は防御の拠点に対して、精密爆撃を行い、進撃を容易にしようとしたのでしょう。

 そうだとすれば、このくらいの遅延は最初から予測できたものであり、今後も進撃が滞り続けない限りは問題はありません。数時間で街全体を占領するという予測の方が先走りすぎでした。



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