カダフィ大佐が亡命の準備中

2011.8.19
追加 2011.8.20


 military.comによると、リビアのムアマール・カダフィ大佐(Moammar Gadhafi)は、おそらくチュニジアへ亡命するためにリビアを出国する準備をしています。

 NBCは米当局者の言を引用し、諜報報告は恐らく数日中にカダフィが家族と共にリビアを出国する準備をしていると言いました。

 ザウィヤで製油所を守っていた兵士の多くは義務を放棄したようだと、ニューヨークタイムズ紙は報じました。同紙は、この地域に緑色の陸軍の軍服が点在していると言いました。

 市内には抵抗の孤立した拠点が若干残っていると反政府派は言いました。政府軍の反撃に備え、反政府派兵士は製油所の周りに土塁を建設しました。

 1日120,000バレルを生産するザウィヤの製油所の戦いは、反政府派が、首都とチュニジア国境をつなぐルート上にある、トリポリ西方30マイルの戦略的な地中海沿岸にあり、リビアの首都周辺の輪なわを絞められる街を支配するかどうかを決めるのに重要でした。

 ザウィヤはリビア内乱におけるいくつかの激戦の場で、カダフィ軍は人口90,000人以上の街のほとんどを破壊するのに空軍力と戦車を使いました。子供たちは自宅の前に座っている突起に撃たれたと報じられました。

 反政府派の野戦指揮官は、製油所が石油システムの機能を確立するのに重要なので、彼らの軍が石油インフラを戦いで壊さないことが重要だったと言いました。

 製油所に配置された100人以上のカダフィ支持者は、パイプライン、港、貯蔵タンク、その他の重要な場所で、製油所に損害を与えようとして約200人の反政府兵士と戦いました。

 製油所管理者の住居の住人、サルワ・アーメド(Salwa Ahmed)は、彼女は「カダフィ軍が後退する様子を見せないので」逃げているところと言いました。「安全ではありません」と彼女は言いました。水曜日、ザウィヤとその他の街から約2,000家族が反政府派の検問所を通り抜けました。

 カダフィ軍は、市の東部にあるトリポリへ通じる道路の上にある主要な病院を支配し、狙撃兵が屋根から発砲し、医師は病院に出入りできません。

 BBCによれば、国際移住機関(The International Organisation for Migration)の広報官は、戦いが都市部に接近して、数千人が退去をのぞでいると言います。

 反政府派はズリタン(Zlitan・kmzファイルはこちら)を支配しようとして、少なくとも30人が死亡し、120人が負傷したと言いました。「戦いは今日の真夜中過ぎに始まり、反政府派はズリタンの大半を解放した」と反政府広報官、ジェマル・サレム(Gemal Salem)は言いました。BBCはこれらの主張を独自に確認できません。政府軍は数ヶ月間、この地域で反政府派と戦っています。

 一方、トリポリの西、南、東で、反政府派が政府軍を押し戻そうとして衝突がありました。

 NATO軍は3月以降、民間人を守るために国連が命じた飛行禁止区域を設け、トリポリへの海路を支配します。

 国際移住機関広報官は、身動きができない外国人労働者(ほとんどはエジプト人)を救出する作戦は数日中に始まると言いました。「戦闘のため、私たちはこの作戦を行うために非常に限られたチャンスしかありません」とジェミニ・パンディヤ(Jemini Pandya)は言いました。「私たちはすべての利用できる選択肢を模索していますが、恐らく海路を使わなければならないでしょう」と彼女はジュネーブでの記者会見で言いました。

 BBCのジュネーブ特派員、イモージェン・フークス(Imogen Foulkes)は、こうした動きはほとんど確実に、戦いに関与するすべての側が船に安全に非難することを確実にすることを必要とします。

 2月に内戦が始まってから、多くは国際移住機関の助けを借りて、約600,000人の季節労働者が出国しました。しかし、多くの外国人労働者が依然としてトリポリの中に残っています。


 NATO軍に降伏すると国際刑事裁判所行きになる恐れがあるので、ザウィヤ方面がまだ不安定な内に、ここを抜けてチュニジアへ亡命しようということです。しかし、これには反政府派に捕まるという危険があります。NATO軍も亡命しようとするカダフィ一家を拘束しようとするでしょう。アパッチヘリコプターや特殊部隊を用いる可能性もあります。あるいは、カダフィの位置情報を反政府派に与えて、彼らにやらせるかも知れません。

 カダフィは最後まで兵士を戦わせ、自分は逃げる準備をしていた訳です。彼の威信は自らの手によって崩壊しました。世の中はこんなものなのです。

 BBCの記事は、ズリタンも陥落したことを伝えています。これで戦いは最終局面に入ったことが確実です。トリポリに接近できるようになった反政府派は、どんどん圧力を加えていきます。いずれにしても、カダフィ軍には有効な反撃はできず、カダフィ大佐が出国すれば、政権は一気に崩壊します。

 リビア内戦で語るべきことは、ほぼ語り尽くした感じがします。今後は、他の話題も取り上げていきたいと思います。



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