ア連合がカダフィ抜きの和平交渉を提案

2011.7.3


 BBCによれば、アフリカ連合がリビアのカダフィ大佐を除外した和平交渉を提案し、暫定国家評議会が応じる態度を示しました。

 暫定国家評議会は、アフリカ連合が初めて、リビアの民主主義と人権を認めたと言いました。赤道ギニア共和国のマラボ(Malabo)で行われたアフリカ連合のサミットで、提案は合意されました。アフリカ連合は加盟国に、国際刑事裁判所が出したカダフィ大佐の逮捕状を執行しないようにも言いました。


 日曜日なので記事の残りは省略し、簡単にコメントを書きます。

 アフリカ連合には、国際刑事裁判所に対する不信感があり、それが逮捕状の拒否につながっているようです。しかし、これは意図せずして、リビア内乱を解決する道筋をつけるかも知れません。

 逮捕されないことが保証されれば、カダフィ大佐が出国する動機になります。そうすれば、反政府派は政権を掌握し、カダフィ支持者に対する処罰はないことを宣言します。憲法を改正し、選挙を行って正式な政府を樹立すれば、民主化の第一歩を踏み出せます。

 このまま首都攻略を進めるよりは、内乱を早く終わらせ、犠牲者を減らし、よりよい結末を迎えられます。あとは、タイで起きているように、カダフィ大佐が国外から政権奪還を試みないように、彼自身と国内のカダフィ支持者を監視するという手間は残ります。

 カダフィ大佐が、この選択肢を選ぶかどうかは不明です。私は彼はギリギリまで踏みとどまり、最後の瞬間に逃げ出すタイプだと思っています。このシナリオの最良の結末は、側近の裏切りで大佐が意に反して出国させられることです。面目丸潰れで亡命すれば、再起はより難しくなります。

 このことを分かっているとは思えないのですが、リビア政府はアフリカ連合の声明を歓迎しているのが皮肉です。



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