ミスラタとジンタンが陥落

2011.5.17


 BBCのカダフィ大佐訴追を報じる記事の末尾に、リビア内戦の戦況が書かれていました。とりあえず、この部分だけ紹介します。

 リビア国営テレビは、NATO軍の航空機がラス・ラナフ(Ras Lanuf)の石油ターミナルを爆撃したと報じました。真偽に疑問のある空襲は反政府派がミスラタを完全に支配したと言ったあとにありました、反政府派は、彼らが週末にかけて、ジンタン(Zintan)のカダフィ軍の2個旅団を敗退させたとも言いました。


 ミスラタが完全に陥落したら、すぐに支援物資を積んだ軍用機をミスラタ空港に着陸させ、その事実を世界中に知らしめるべきです。まだ、カダフィ軍の対空ミサイルが近くにいるかも知れませんが、時期をみて早く実行しなければなりません。

 ジンタンの早すぎる陥落は、カダフィ軍がかなり勢力を殺がれていることを推察させます。これは、案外早くにトリポリも奪取できるかも知れません。

 しかし、敗走した2個旅はミスラタ戦を含むものだろうと考えます。ジンタンだけには多すぎる戦力だからです。本当に2個旅団なのかも疑問です。カダフィ軍には大佐の息子が指揮する少数の旅団しかないといわれています。2個旅団に大きな打撃を与えたとすれば大戦果です。

 戦線は細長く伸びています。カダフィ軍は先端部を刈り取るために、ジンタン後方で反政府軍の側面を突き、ミスラタとの連絡を断つかも知れません。それが実行されないようなら、カダフィ軍が弱体化した証拠です。実行されるのなら、あるいは最初からそれを狙った戦術的な撤退ということになります。


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