リビアでプレデターの空爆を承認

2011.4.23


 military.comによれば、バラク・オバマ大統領が無人偵察攻撃機プレデターがリビアで地上の目標を攻撃するのを承認しました。

 この記事は要約しません。

 この記事で私が知りたかったのは、プレデターの空爆が反政府派の作戦上の要請で行われる可能性があるかということでした。つまり、反政府派の兵器では効率的に破壊できない敵にミサイルを撃ち込み、彼らが前進するのを助けるかということです。そうした攻撃を行って、初めて効率的な軍事行動が行えます。しかし、それに関する記述はまったく書かれていませんでした。

 リビア国民を守るのが前提の国連決議では、そういう積極的な支援攻撃はできないのでしょう。

 するとプレデターは、榴弾砲、迫撃砲、ロケット砲を探して、破壊するのに使われると考えられます。これは一定の効果があります。こういう砲兵は展開地にミサイルが着弾し、プレデターに狙われていることを知れば、慌てて移動し、砲撃を中止するからです。結果として、長距離の砲撃が減り、市民の被害は減るでしょう。しかし、これは砲兵をほとんど壊滅しないと、目立った成果は見えないでしょう。それだけでは内戦が終わらないからです。現在もカダフィ大佐の砲兵は、組織だった作戦のためでなく、市民を脅すために使われています。だから、砲兵への攻撃は反政府派を前進させません。つまり、この決断は内戦を長期化するものなのです。



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