リビア空爆で民間人が死亡

2011.4.2


 BBCによれば、ブレガ(Brega)から15kmにあるザウィア・エル・アルゴビ村(Zawia el Argobe)で空爆があり、民間人が死亡しました。

 スレイマン・リファルディ医師(Dr Suleiman Refardi)は、空爆は弾薬を運搬中のトラックに命中し、爆発が発生して近くの2軒の家を破壊したと言いました。12〜20歳までの全員が死亡したとリファルディ博士は言いました。このニュースは反政府派の指導者、ムスタファ・アブドル・ジャリル(Mustafa Abdul Jalil)が、カダフィ大佐が街から撤退したら停戦に合意できると言った時に届きました。「我々は、西部の街の同胞たちが表現の自由を得て、街を包囲している軍隊が撤退した条件の下で停戦に合意します」と彼はベンガジでの記者会見で言いました。しかし、彼は反政府派はカダフィ大佐を追放する意図は取り下げないと言いました。

 リファルディ博士は、リビア政府軍の輸送隊は、戦車、対砲、弾薬を運搬するトラックが含まれていたと言いました。ザウィア・エル・アルゴビの通りで弾薬車のトラックと牽引車への直撃は大量の破片を付近の家に飛ばしました。死亡した4人は同じ家族の3人の子供を含む女性で、年齢は12〜16歳だったと、ブレガにいるBBCのベン・ブラウン(Ben Brown)は報じました。14〜20歳までの少年3人も死亡しました。リファルディ博士は少女の家族と話し、連合軍に対する怒りはなかったと言いました。「これらの戦車がアダビヤに入れば、大虐殺になったろう」と彼は言いました。「彼らはこれ以上のことを予想しています。彼らはカダフィ軍が民間人の盾を用いていることを知っているからです」。NATO軍当局者はBBCに調査中であると言いました。

 BBCのワイア・デイビス(Wyre Davies)は、反政府軍はブレガ周辺の前線を急進していると言いました。まとまりのない武装勢力は重機関銃を搭載したピックアップトラックを運転して戻っているところです。

 ブレガにいるBBCのニック・スプリンゲート(Nick Springate)は、ほとんどが装備が貧弱で訓練されていない反政府派戦士の士気低下は、装備のよい、よく訓練されたとみられる軍服姿の兵士たちにより盛り上がりました。彼らがどこから来たのかは不明だと特派員は付け加えました。


 後半のリビア政治家の離反に関する部分は省略します。

 トリポリでカトリック教の関係者が、少なくとも40人の民間人が空爆で死亡したと主張したという報道もあります。

 犠牲者の家族が恨まないと言っても、ザウィア・エル・アルゴビの悲劇は避けられたと考えられます。輸送隊が村を過ぎてから攻撃すればよかったのに、交戦規定に反して、民家のの近くで実行したために犠牲を生んだのです。離れた場所にいると、現場の状況をよく考えずに行動する傾向があります。地上部隊なら、すぐに民家への危険性を察知したかも知れません。

 こうしたミスは他にも起きている可能性があります。誤爆が多くなると、反政府派が勝っても、リビア国民の欧米への視線は冷たいものになるでしょう。イラクやアフガニスタンで経験済みのことです。同じ過ちを繰り返すべきではありません。

 それから、軍服姿で増援に来た兵士のことが気になります。彼らは元リビア軍の兵士だった者たちなのか、反政府派も民間軍事会社に依頼したのかという問題があります。いずれ何らかの情報が出てくるはずです。



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