カンダハルでタリバン50人が投降

2011.4.13


 military.comによると、カンダハル州のタリバン戦士50人が4月11日にアフガニスタン政府に転じました。

 50人は武器と弾薬をカンダハル州知事トーリヤリ・ウィーサ(Tooryali Weesa)に手渡し、恩赦と仕事を要求しました。このグループは、パキスタンのタリバン指導者に選ばれた、北クンドーズ州のいわゆる「影の知事」を含んでいました。タリバンのグループの指導者、マオラウィ・アブドル・アジズ(Maolawi Abdul Aziz)はロイター通信に「私は、政府が私が戦うように命じられた傀儡政権ではないと理解しました」と言いました。アジズはタリバンの代表になるためにクンドーズ州に向かうことになっていましたが、戦い続けることは懸命ではないので、彼の武器を渡し、タリバンとの提携を捨てる決心をしたと、ロイター通信は報じました。

 クンドーズ州は最近、数ヶ月間比較的静かだった後で、連合軍に対するタリバンの攻撃で揺れ動きました。「アジズ配下の元反政府派たちも、自動小銃や携行式ロケット弾を含む50個の武器も持ってきて、政府にそれらを渡しました」とウィーサ知事は言いました。

 報告は目下のところ200人以上のタリバン戦士と指導者が先月、アフガン政府に離脱したことを示します。3月のロンドン会議で、デビッド・ペトラエス大将(Gen. David Petraeus)は、目下のところ5,000人近いタリバンが離脱するか、アフガン社会への再統合プロセスの中にあると言いました。

 ペトラエス大将は政治家たちに先月、連合軍は2005年以降、タリバンの増加を反転してきて、撤退の勧告のために作業していると言いました。

 「しかし、治安プロセスが去年成し遂げたことが重要でも、それはもろく、反転しうるものです」と、彼は3月15日のアフガン戦の進展に関する証言で上院議員たちに言いました。


 50人が一度に投降したのは大きな成果です。かつ、すでに5,000人がタリバンを辞めたのも大きな成果です。昨年、アフガンのタリバンは36,000人との見積もりがリチャード・バロンズ少将(Major-General Richard Barrons)から提示されています(記事はこちら)。つまり、約14%が離脱した点は非常に評価できます。

 アジズが言うように、アフガン政府が正当なアフガンの政府だという認識がタリバンの間に広がっているのなら、それは数年間の努力が実ったのかも知れません。

 問題は、新しくタリバンに参加する者がいるかどうかですが、それは記事には書かれていません。

 実のところ、アフガン情勢は報道や報告書を見ても、なかなか状況が実感がつかめたという気持ちになれません。今回の報道も、基本的には成果と思うのですが、視点を変えると、果たして完全なタリバンの解体や治安回復につながるのかという疑問も出るのです。



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