イギリスがリビアに外交官を派遣

2011.3.7


 BBCの記事からリビア情勢を考えてみます。気になる部分を選び出しました。

 トブルク(Tobruk)、ラス・ラナフ(Ras Lanuf)、ミスラタ(Misrata)、ザウィヤ(Zawiya)は反政府派が確保を続けていますが、ラス・ラナフ、ミスラタは土曜日に再び攻撃を受けました。ビン・ジャワド(Bin Jawad)で衝突があったと報じられました。

 首都トリポリ(Tripoli)では、当局者が街の確保を祝う発砲音が夜明け前にあったと言いましたが、人々は政府派と反政府派の銃撃戦と考え、銃撃戦を隠蔽するために用いられたとの疑惑があります。

 反政府派の拠点、ベンガジ(Benghazi)近くで拘束された総勢8人のイギリス外交官チームは解放されました。6人のSAS(空軍特殊部隊)のメンバーが含まれていたとされるこのチームは、銃、爆薬、4ヶ国が発行したパスポートを持っていました。イギリス外交官を反政府派の指導者に接触させようとしたと報告されています。(BBCの続報はこちら

 ビン・ジャワド(Bin Jawad)とラス・ラナフ(Ras Lanuf)を攻撃した武装ヘリコプターの支援を受ける兵士は、反政府派に捕まりました。

 カダフィの拠点シルト(Sirte)から東へ160kmにあるラス・ラナフは土曜日に反政府派に占領されました。 この戦闘で2人が死亡し、約40人が負傷しました。

 前進したときに攻撃を受けた後で、反政府派はラス・ラナフから北西へ50kmにあるビン・ジャワドから兵士を撤退させました。

 特派員は、彼らはより強い抵抗に遭い、燃料も不足していると言いました。

 トリポリとザウィヤから東へ200kmにあるミスラタでは反政府派に戦車が差し向けられました。

 ミスラタの医師は、戦車と装甲車を伴うカダフィ軍が市中心部へ行き、発砲してからは状況が「非常に悪い」と述べました。武装しているかどうかに関係なく、人々は発砲され、カダフィ軍が5時間後に押し出されるまでに少なくとも3人が殺されました。

 産経新聞が6日20時に配信した記事で、「カダフィ派はザーウィヤ(ザウィヤ)制圧か」とリビア国営テレビの情報をそのまま報じています。他のメディアはこうした放送は情報操作だと報じています。

 その後に報じられたBBCの記事でもザウィヤは反政府勢力が政府軍を撃退していると報じています。

 ミスラタでは目撃者が少なくとも18人が死んだと言いました。政府軍の戦車が吹き飛ばされ、16人のカダフィ軍兵士が死亡し、その他は捕らえられて尋問を受けています。ミスラタは人口300,000人で、反政府派が支配した東部の都市で最大です。


 イギリスが特殊部隊が警護する外交官をベンガジに派遣したようです。彼らは誤って捕らえられ、その後に解放されました。これはイギリスと反政府派の連携がとれていることを意味します。まったく素早い話です。外交官を派遣したことで、イギリスの反政府派支援が一層進みます。

 産経新聞はカダフィ政権の情報操作に引っかかったようです。現段階でザウィヤが陥落するようならカダフィ軍が優勢だということです。西を押さえたら、次は東部に強力な防衛線を張ることになります。「制圧か」といった軽い表現で済む話ではありません。

 昨日の状況を見ても、カダフィ軍の行動には強度を感じません。この程度が限界ならば、あと少しの支援で反政府派は勝利を得られるはずです。やはり空爆などの支援が鍵となりそうです。それにより動乱の期間を短縮し、いち早く復興を行う必要があります。その方が国連などの人道支援もうまく行きます。



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