在日米軍家族に不安が広がる

2011.3.23


 military.comによれば、在日米軍は隊員の家族の自主避難を強制力のある避難へ変える可能性は低いということです。この記事は原発事故に関する在日米軍の内情をよく反映しているようです。

 ロバート・ウィラード海軍大将(Adm. Robert Willard)は、在日米軍には約87,000人の家族と国防総省職員を避難させる非常事態計画がありますが、それを実行することは予測していないと言いました。「我々はまったく予測しません」「事実、私は、我が軍と家族を横須賀に戻すために、原子炉の事故が安定することに注目しているところです」「しかし、我々は間違いなく最悪のことに対応する計画を持っており、上級司令部に期待される事柄を検討しています」。

 ウィラード大将は横須賀でタウンホール・ミーティングを行い、その後に、記者のインタビューに答えました。記者はタウンホール・ミーティングに参加する許可を得られませんでした。

 ウィラード大将は、自発的に日本を離れる家族のために軍が支援するフライトは火曜日に去った人たちのペースで行われるだろうと言いました。火曜日に3便が発ち、火曜夜には2機以上が待機していました。月曜の時点で、軍が飛行が始まると告知してから発ったのは2便だけで、避難に参加した約9,000人の家族のメンバーの一部に混乱をもたらしました。「これが非常事態の状態で起きていないことを思い出すべきです」「我々はこのペースを提供できますし、参加している航空会社と共に輸送司令部が配置したものです」とウィラード大将は言いました。家族は避難する決定をする前に、個人的な快適さのレベルを議論すべきです。ウィラード大将は自分の家族に日本に残るように決めました。

 ウィラード大将は1,000人以上の聴衆の質問にすべて答えるのに3時間を費やしました。彼の主な仕事は、メンバーが本当に危険かどうか、いつ日本を発てるのかについてしばしば矛盾する情報を聞くコミュニティを安心させることでした。

 数人の住人によれば、先週の木曜日以降、火曜日までに横須賀に向かう放射能汚染の予測が基地の周囲に広く出回っています。3月11日の地震以来、横須賀の健康に影響のある放射線レベルを報告した機関はなく、福島第1原発は横須賀の北、約200マイルに位置します。上昇したものの、先週のレベルは有害ではなく、海軍当局者は将来の危険に対する予防としてヨウ化カリウム剤を月曜日に配布しました。タウンホール・ミーティングのあとで、コンスタンティン・ディアラ大尉(Lt. Constantine Diala)は「パニックやカオスを生んではいけません」「放射線はまだ危険ではありません」と言いました。

 ウィラード大将は今日、放射能の危険はないと繰り返し、それは安心を生んだものの、不必要な予防措置が火曜日に生徒たちを怖がらせたという教師たちの間にフラストレーションを強めました。横須賀の学校はすべての生徒を屋内に置き、窓は閉め、南方に吹く潜在的な放射能に対する予防措置として、すべての換気口をよう命じられました。ウィラード大将は、その必要はなく、子供たちは外で遊ぶのを許されるべきだと言ったということです。初期の指示は、何度かの余震と一部の学校で25%の出席率と合わさり、火曜日に一部の子供たちを脅えたままにしていると、横須賀中学校のジーン・カーチャー教諭(Jean Kartchner)は言いました。「子供たちは机の下に隠れ、『神様。死んじゃう』と言っています」とカーチャー教諭は言いました。教師たちは生徒に大丈夫だと言っていますが、納得させるのは難しいと、カーチャー教諭は言います。

 ミーティングから帰る何人かの人たちは、横須賀の放射能のどんな懸念よりも大きな問題ではないけども、恐怖はおそらく相当に大きいと言いました。エイブリー・ベルジェ(Avery Berge)は「率直に言って、皆さんかなり怖がっています」「皆さんの不安は分かりますが、同時に、私はみんなが状況に対処するよい仕事をしていると考えます。これは前代未聞です」。


 ウィラード大将は不安を解消しようとしたようですが、住民に不安が広がっていることは疑いがありません。出国したのは一部だけですが、潜在的な不安がかなり高まっているという印象です。今日、東京葛飾区の水道水から放射線が確認されたことから、こうした不安は一層助長されるでしょう。福島第1原発の事故がこのまま終息すれば、問題は表面的にはならないでしょう。しかし、原子炉の冷却が何かの問題で不可能になるなどすれば、一種のパニックが起きるでしょう。

 それは日本社会も同じです。すでに買い占めに走る人々が現れています。株式市場は一時的に大暴落し、為替レートも変動しました。これ以上、問題が悪化した時に、次に何が起きるのかが気になるところです。



Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.