カダフィ大佐の反撃が阻止される

2011.3.2


 military.comがリビア動乱の最新情報を報じています。ザウィヤ(Zawiya)、ミスラタ(Misrata)は反カダフィ派が維持し、カダフィ大佐の反撃は頓挫しました。

 戦況に関する部分に限り、記事を簡単にまとめました。

●ザウィヤ トリポリの西30マイル(50km)

 反政府派は一晩中6時間の戦いで、首都に最も近い街を取り戻そうとする試みを押し戻しました。反乱側の軍隊を含む反政府派は、戦車、機関銃、対空機銃で武装しています。彼らは、同じ武器を持ち、6方向から攻撃するカダフィ軍を撃退しました。ザウィヤでの死傷者の情報はありません。目撃者は、カダフィ軍の動きを監視し、攻撃が迫ったと考えたら音で警告するために、街から来た若者達が高層の建物の屋根に配置されていると言いました。彼らはまた、反政府側が街の支配を政府に返せば大金を提供するという政府の申し出についても述べました。

 月曜の夜、AP通信の記者は、ザウィヤの西端で、洗車、対空機銃を据え付けたジープを伴う半ダースの装甲車両が集結しているのを見ました。将校は彼らが精鋭のハミス旅団であると言いました。政府の報復を恐れて匿名にした住民は「我々は攻撃を撃退しました。我々はRPGで戦車に被害を与えました。傭兵達はその後、逃げました」と言いました。彼は、カダフィがザウィヤの有力な部族長モハメッド・アル・マクトフ(Mohammed al-Maktouf)に電話をかけ、彼に反政府側が街中心部の広場を去らなければ軍用機で攻撃されることになると警告しました。住民は「我々は大きな戦いを望んでいます」と言い、反政府派が月曜に傭兵8人を殺害したと付け加えました。別の住民は、郊外では夜になっても発砲音をよく聞くと言いました。

●ミスラタ トリポリの東125マイル(200km)

 月曜の夜、カダフィ軍がミスラタを奪還に来て、機関銃や陸軍部隊のある住民たち、反政府派が彼らを追い返したと反政府側の戦士が言いました。犠牲者は報告されず、高官を含む8人の兵士が捕まりました。

 その他に、カダフィ政権は火曜日、米、小麦粉、砂糖、卵を積んだ総勢18台のトラックがトリポリからベンガジへ向かわせました。輸送隊の中には、医薬品を積んだ冷凍車もありました。

リビア全土(地図は右クリックで拡大できます)

 military.comの別の記事は、リビアの近くに展開した米軍の動向を伝えています。

 約400人の海兵隊が地中海へ配備され、アメリカはリビア革命への対応を検討しています。ロバート・ゲーツ国防長官(Defense Secretary Robert Gates)は、国防総省の記者会見で、強襲揚陸艦キアサージ(Kearsarge)とドック型揚陸艦ポンス(Ponce)が緊急避難と人道的支援の両方の能力を提供すると述べました。キアサージは先月、第26海兵遠征隊をアフガニスタンへ1,400人の海兵隊員を展開しました。


 ザウィヤでもカダフィ側の攻撃が阻止された点が重要です。全体的に大規模な戦闘は起きていませんし、これがカダフィ軍の限界のようです。膠着しかけているものの、これが一気に決着する可能性はまだ残されています。

 反政府側に優勢な航空戦力が加わると、カダフィの空軍はたちどころに基地が破壊され、飛んでいる航空機は撃墜され、動けなくなるでしょう。そうなれば、カダフィ大佐の国外脱出も難しくなり、これは政権に強い圧力となります。もっとも、カダフィ大佐は国外に逃げても、国際人道法の違反で逮捕される可能性があります。

 ゲーツ長官は詳細を述べていませんが、米軍の活動は人道支援などだけでなく、軍事的オプションも検討しているはずです。現実的な武力介入は、カダフィ軍の基地、弾薬庫などを空爆し、飛行禁止区域を設定することです。戦闘支援は連絡が行き届かないことから誤爆を招きやすく、躊躇する可能性の方が高いと考えられます。しかし、反政府派に空軍の航空統制官を派遣するなどして、戦闘に直接航空支援を行う可能性はあります。 これは反政府派の団結の程度が高ければ実現するでしょう。



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