原子炉が爆発しない謎

2011.3.18


 数日前から、なぜ炉心の爆発が起こらないのかを疑問に感じていました。

 どうも、この原子炉はチェルノブイリ型に比べると、かなり頑丈のようです。事故の規模を考えると、すでに致命的な問題が起きていてもおかしくない時期です。原子炉の性能詳細を調べる必要があるかも知れません。しかし、先に書いたようにスリーマイル型よりは弱いという専門家の意見があります。そうだとすれば、こんなに熱と圧力に耐えられるのかという疑問が出てきます。

 昨日、ヘリコプターや固定翼機、消防車の接近が承認されたように、原子炉が直ちに爆発するような事態にはならないという認識が、東京電力や政府内にあるようです。それが何かが問題です。東京電力は直ちに爆発はしないと見て、その間に冷却と送電線の設置を行う方針で、政府はそれを承認しているのです。

 しかし、このやり方はカミカゼ式ではないかという疑問があります。計測器の値が完全に信頼できず、それらでしか原発の状況を把握できないのですから、万一の場合に備えた対策もやるべきです。各国が日本にいる自国民に原発から80km以上避難するように勧告していますが、日本政府は現行の20km以内の避難と、20〜30kmの屋内避難を変えようとしません。

 時間がないため、まとまっていませんが、とりあえずここまでにします。

 米軍の動きを簡単に紹介します。

 military.comによれば、米空軍は横田基地と三沢基地で転属(permanent change of station: PCS)を遅らせることになりました。この遅延は一部の下士卒の勤務を1ヶ月間まで変更したり、将校が海外派遣を引き受ける前に得る1週間の決定機関を除外するかも知れません。陸軍人事司令部の広報官は、PCS命令や日本に向かう兵士の出頭期日の変更はないとのことです。海軍当局者は、海軍と海兵隊に関する影響についてコメントしてません。横田基地の第374飛行隊と三沢基地の第35航空隊の指揮官が16日に出した移動停止命令は3月と4月に日本に異動するよう予定されている全空軍兵士の期日通りの出頭を延期することを促進しました。現在のところ、全空軍兵士は4月30日が出頭期日です。

 military.comによれば、米軍は40トンの物資を被害地域に輸送しました。空母ロナルド・レーガン空母打撃群(the USS Ronald Reagan Carrier Strike Group)は水曜日に、食糧、水、衣類、医薬品、毛布を被災地域へ運ぶために15回の飛行を行いました。高圧ポンプは横須賀海軍基地でセーフガード(USNS Safeguard)から降ろされ、横田空軍基地から福島原発で使うために出荷されました。4機の追加のポンプは佐世保海軍基地から出荷されました。火曜夜、北海道苫小牧ではトルツガ(USS Tortuga)は視界不良のために積み込みを中止しなければなりませんでしたが、水曜の朝には再開しました。車両93台、陸上自衛隊273人を、木曜日に大湊へ運ぶために一日中積載しました。

 仙台空港を再開する第31海兵遠征隊を乗せたエセックス(USS Essex)、ハーパーズフェリー(USS Harpers Ferry)、ジャーマンタウン(USS Germantown)は水曜日に日本海に入り、酒田港に向かいます。

 military.comによれば、4つの在日米軍基地で軍人家族の自主避難が始まりました。海軍は厚木空軍基地と横須賀海軍基地から、木曜日午後に家族の避難が始まりました。数時間後、三沢空軍基地当局者は同じことを言いました。キャンプ座間基地は家族と必要性のない労働者に避難を認めました。木曜午後、第374航空輸送隊指揮官、オットー・ファーザー大佐(Col. Otto Feather)は横田空軍基地がすぐにリストに加わるだろうと言いました。岩国基地の海兵隊基地は避難の予定はないと言いました。木曜夜、佐世保海軍基地はコメントをしませんでした。横須賀と厚木は福島第1原発から200マイルの位置にあります。木曜午後の時点で、避難家族をバスに乗せ、厚木と成田国際空港に運ぶ計画があります。そこから彼らは韓国に飛びます。飛行は横田空軍基地からも発つでしょう。避難は木曜の夜から、遅くても金曜の朝までに始まるでしょう。海軍はすでに1日に10,000人を避難させる力があり、軍が追加の航空機を確保できれば、1日に18,000人までに膨れあがります。横須賀海軍基地には25,000人がいて、約19,000人はアメリカ人であるか、国防総省のIDカードを持つ家族です。厚木基地には6,500人がいますが、アメリカ人の人数は入手できませんでした。避難は女性と子供を第一に優先し、必要性のない要員が第二、次が必要のある要員です。航空機に乗るには次のものが入った非戦闘員避難作戦パック(Noncombatant Evacuation Operation packet)必要です。

国防総省IDカード
パスポート
国防総省2585号書類(DoD 2585 form) 軍人の場合は国防総省1337号書類(DoD 1337 form) 民間人なら国防総省2461号書類(DoD 2461 form)
家族の手荷物
車検証かそのコピー

 横須賀と厚木、三沢の学校は休校になりました。避難は木曜日に国防総省を通じてオバマ大統領の承認済みです。以下は省略します。

 それから、細かい話ですが「特殊な消防車」について書きます。

 日本のマスコミの悪いところは、話を勝手に作ることがある点です。昨日書いたように北沢防衛大臣の発言から「特殊な消防車」という言葉が生まれ、これが自衛隊などの消防車についてまで拡大されています。これは、化学消防車 MB-1改B型などのことで、普通は特殊な車両とは言いません。



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