米軍は地震の被害を逃れる

2011.3.12


 military.comが、昨日発生した東北地方太平洋沖地震に関して、米軍がどう対応したかを報じています。

 日本政府はまだ救援の要請を出していませんが、米軍は要請が来た場合の準備をしています。国防総省広報官、レスリー・ハル・ライド海軍中佐(Navy Cmdr. Leslie Hull-Ryde)は「我々は状況を評価し、彼らが対応の準備をして、命令があれば災害救助を提供する準備をするために部隊を配置しているところです」と言いました。

 佐世保のドック型揚陸艦トーテュガ(USS Tortuga)が今夜、災害地域へ向かうために揚陸艇を積載しました。第31海兵遠征隊が乗ったエセックス(USS Essex)はマレーシアのコタキナバルに到着し、今夜できる限り早くに出発するための準備をしています。

 シンガポールのブルー・リッジ(USS Blue Ridge)は人道支援と災害救援用品を積み、明日の朝出発する準備をしています。

 韓国に向けて西太平洋上にいるロナルド・レーガン空母打撃部隊は命令があり次第、対応が可能です。

 横須賀に司令部がある第7艦隊への地震の影響は以下のとおりです。

  • 横須賀の艦艇は、横須賀港の水位変化に対応するように繋留されています。船への被害は報告されていません。
  • グアム島の艦艇は可能なら出港するよう命令されたり、人員を呼び戻して、水位が変化する間、船列を調整しました。
  • 三沢の海兵隊哨戒部隊司令部は多少被害を受けました。停電して、発電機を使っています。
  • 沖縄のホワイトビーチにある上陸作戦部隊司令部は、津波に備えて嘉手納空軍基地のより高い場所へ移動しました。

 military.comの記事はもう一つあります。

 第7艦隊広報官、ジェフ・デイビス中佐(Cmdr. Jeff Davis)は「我々は横須賀の重要な船を、どのような津波によっても損害を避けるのの必要なように素早く調整する準備を船列を置くための指示を出しました」と言いました。日本の気象庁は相模湾の横須賀地区に2mの、三浦半島に3mの津波警報を出しました。この地域は午後8時30分〜9時に津波が来る予定です。基地外の住民は地域の避難命令に従っています。三沢基地では、第72哨戒部隊司令部が被災しました。三沢基地の要員は午後6時30分の更新で全員が確認されました。

 地域レベルでは、我々は海軍施設で、どのような負傷や大きな損害も報告を受けていません」と在日海軍部隊指揮官の広報官、ロン・シュタイナー中佐(Cmdr. Ron Steiner)は言いました。しかし、司令部は午後6時に、自身のフェイスブックにメッセージを出しました。「すべての海軍要員、民間職員、請負業者、日本人労働者に、各自の司令部にコンタクトし、個人の状態と居場所を知らせるよう要請します。電話がつながらなくても、あなたの状態を知らせる方法を探し続けてください。しかし、あなたの安全は最優先事項です」。横須賀米国艦隊活動司令(The Commander Fleet Activities Yokosuka)のウェブサイトは、低地にいる者全員に津波の影響を避けるために高地へ移動するよう警告しました。 「我々が受けた初期報告はアメリカの要員は全員が無事ということです」と、NATO会合の記者会見でロバート・ゲーツ国防長官(Defense Secretary Robert Gates)共に、国防総省広報官、ジェフ・モレル(Geoff Morrell)は言いました。

 横田基地では、金曜日の午後に地震で閉鎖された成田国際空港を避けた航空機を受け入れました。成田のターミナルは被害を受け、乗客を非難させました。デルタ航空に乗った537人ほどの乗客は、土曜日に飛行機が飛べるまで横田のコミュニティセンターで夜を過ごしました。他に9機の航空機が金曜の夜に飛び立つ予定でした。成田空港は土曜日の午前6時に再開される予定です。


 気になる部分を抜き書きしました。

 昨日、私が住む北海道でも揺れがあり、その後、かなりの時間をかけてテレビを注視しました。海岸地帯に津波が押し寄せる映像には、その被害の大きさに衝撃を受けました。それにしても、北海道の沿岸では津波が来るまで港にいる人たちが多いのには驚かされました。津波が防波堤を越えても、まだ逃げようとしていませんでした。自分の車を取りに来たものの、津波が来たので非難する人も見ました。地震が来てから北海道に津波が届くまで1時間はあったのに、なぜこんなにのんびりしているのかが不思議に感じられました。

 米軍は支援活動の準備をしています。上にあげた船の名前が今後の報道の中に登場するのかを注意してみてください。日本政府がどれだけ海外の支援を受け入れたのかを考える指標になります。非常時に、海外の救援を断って阪神大震災の時に批判を受けた教訓が生かされるのかどうかが分かります。

 それから、福島第一原子力発電所で放射線レベルが上昇していると報道されています。これも気にかかる問題の一つです。 以前の地震でもあったことですが、原発には管理用の電力が必要です。発電を中止すると、予備電力を使うことになっていますが、それも故障すると原子炉が熱で損傷する危険があります。状況からして、地震で損傷を受けたパイプから放射線を含んだ水蒸気が漏れているようです。それを解決するための電力がないのです。



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