膠着気味のリビア情勢

2011.3.1
更新 同日17:15


 昨日は記事を更新できずに申し訳ありませんでした。military.comによれば、米軍はリビアの近くで海軍を派遣し、西欧はリビアの反乱に対して最初の具体的な援助を送るために動いています。

 米国防総省の広報官は、リビアへ向けられた船や航空機を明らかにしませんでしたが、エンタープライズ号は最近、スエズ運河を通り、紅海へ向かいました。 海兵遠征部隊の一部を乗せた強襲揚陸艦キアサージは最近、この近海います。米軍はイタリアに飛行禁止区域を強制したり、人道的任務に派遣する部隊がある軍事基地も持っています。
 フランスは人道支援のために医薬品と医師を乗せた航空機2機をベンガジへ送っています。フランソワ・フィヨン首相(Prime Minister Francois Fillon)は、これがリビアの東半分を支配した反乱に対する西欧の最初の支援だと言いました。フィヨン首相は、これが東部のための大規模な活動の始まりで、パリは軍事オプションを含む、すべての解決策を検討していると言いました。

 カダフィ側と反乱側は現在の位置で固定したように見えました。カダフィはトリポリの近くの都市で塹壕を掘っており、軍隊よりもよく装備している治安部隊と民兵に支援されています。反乱側は東部と大半の石油インフラを支配し、トリポリの西部に孤立地帯を持っていますが、彼らは弾薬と武器に限界があるようです。

 ザウィヤ(Zawiya)とミスラタ(Misrata)では、反乱側はカダフィ支持派とにらみ合いを続けています。AP通信の記者は、ザウィヤの西方にカダフィ側の大軍が集結しているのを見ました。それらは、装甲車、戦車、対空機銃を据え付けたジープを持っていました。ある将校は、それらが精鋭のハミス旅団だと言いました。

 ミスラタでは、一部の空軍基地を支配するカダフィ軍が前進を試みましたが、反乱軍に撃退されました。

 東部のアダビヤ(Ajdabiya)の住人は、カダフィの空軍が反乱軍の近くの弾薬庫を爆撃していると言いました。国営テレビは、弾薬庫の爆撃を否定する国防大臣の声明を報じました。

 反カダフィ派は、彼らの拠点、ベンガジを強固にするために移動しました。そこの政治家たちは、日々起こることを処理するために、日曜日に最初の指導者の評議会を作りました。

 反対者たちは、反乱に加わった東部の軍隊に支援され、彼らはいくつかの基地とベンガジ空港を確保しています。しかし目下、部隊は統合された戦闘部隊に融合されていないと見られます。

 カダフィ派は、トリポリの西にあるサブラタ(Sabratha)を支配していると言いました。住民は反カダフィ派は警察署に放火したものの、追い払われたと言いました。反カダフィの落書きは上塗りされました。

 首都トリポリでは、東部地区のデジュラ(Tajoura)では何百人もの反対者たちが行進を始めました。しかし、カダフィ派の部隊が現場に殺到すると、発砲の前に散り散りになったと、匿名の住民たちは言いました。

 金曜日、銃を持った男たちが新しい行進を行おうとした抗議者たちを無差別に撃った時、トリポリは混乱の中にありました。しかし、首都は、特にカダフィ政権に招かれたジャーナリストたちが現場を見るために到着してからは静かでした。ある住民は、カダフィの治安部隊が街中で検問を行っていると言いました。


 記事の前半部分を要約しました。住民の生活に関する記述もありますが、ここでは軍事面に限って紹介しました。

 この記事で気になるのは反乱側の軍隊がまだ統一されていないことと、首都西部の勢力が足りないように見えることです。カダフィ政権はいずれ資金が底をつくでしょうが、当面は傭兵を雇い、首都を維持することはできそうです。すると、資金に関する裏付けのない反乱側は態勢を維持できなくなります。そうなると、主にNATO軍が中心になるのでしょうが、外国の支援が必要になります。米軍も必要に応じて戦力の一部を提供するでしょう。

 リビアに関しては、他にも興味深い記事があるのですが、まだ日本語化できていません。



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