サウジ留学生が米国でテロ計画

2011.2.25


 military.comによれば、アメリカに留学中のサウジアラビア人の男子学生が米国内でのテロ攻撃を計画し、人形と乳母車に爆弾を隠して、ダム、核施設、ジョージ・W・ブッシュ元大統領(President George W. Bush)の自宅を爆破する計画を立てたとして起訴されました。

 化学会社の「Carolina Biological Supply社」は2月1日に、ハリド・アーリム・アルダワサリ(Khalid Ali-M Aldawsari)の疑わしい購入品をFBIに報告しました。数週間以内に、連邦捜査官は彼のその他のオンライン購入を追跡し、彼がインターネット上で過激主義の投稿をしているのを発見し、密かに彼の大学外の住居、コンピュータ、電子メールのアカウントを捜索し、彼の日記を読みました。

 学生ビザで米国にいたアルダワサリは、金曜日に連邦裁判所に出頭することになっています。彼は大量破壊兵器の使用未遂で起訴されました。アルダワサリは、テキサス工業大学で化学工学を学ぶために2008年10月にサウジのリヤドからアメリカに入国し、今年早くに近くのサウス・プレインズ大学に転入し、そこで彼はビジネスを学んでいました。法廷の書面では特定できないサウジの工業会社が彼の授業料と生活費を支払っていました。

 アルダワサリが弁護士を雇ったかどうかは現在明らかではなく、アルダワサリが他人に提供していた電話番号は木曜日に通じませんでした。

 アルダワサリが自分自身にあてた電子メールで、彼はコロラド州とカルフォルニア州の12の貯水ダムをリストしていました。彼はブッシュ大統領の家の住所と共に「専制君主の家」と語る電子メールも書きました。FBIの口述書は、彼が爆薬を隠すために幼児の人形を使うことを検討し、恐らくは爆薬を詰めたバックパックでナイトクラブを狙っていたと言います。アルダワサリはいくつかの電子メール・アカウントを持っていました。彼に辿り着いたある電子メールのメッセージは、携帯電話を遠隔式起爆装置に変える説明を記載していました。別のリストは、過去に米軍に勤務し、イラクのアブグレイブ刑務所に配置された3人のアメリカ市民の氏名と住所をリストしていました。

 FBIは、ノースカロライナ州の企業が起爆性のあるトリニトロフェノール(別名TNP、ピクリン酸)を作るのに使うフェノール10分の1ガロンを購入しようとする試みを報告したと言いました。アルダワサリは供給者に、彼は大学と協力関係にあり、校外での個人的な研究のためにフェノールが欲しいと嘘をつきました。しかし質問に苛立ち、アルダワサリは注文をキャンセルし、フェノールを生産するための説明を自分自身に電子メールで送りました。

 検察官は、2010年12月に彼は「QualiChem Technologies社」から30リットルの硝酸を約450ドルで、TNPを作るために化合する3ガロンの濃硫酸をから購入するのに成功しました。FBIは、後にアルダワサリの住居から、ビーカー、フラスコ、電気コード、防護服、時計と共に化学物質を発見しました。

 検察官はアルダワサリがオサマ・ビンラディンの演説から影響を受け、最近のイスラム教徒の状態に失望し、聖戦と殉教を明言する過激派のメッセージを公表するためにブログを設けました。「人類を想像した神よ。あなたの目的のために私に殉教を、あなたが行く道のためにだけ私にたやすく聖戦を与えてください」と彼は書きました。


  CNNは、化学会社から通報があるまではFBIがアルダワサリの存在に気がついていなかったと報じていました。しかし、彼のやり方では、実行前に逮捕される可能性はかなり高かったと思えます。

 まず、自分の政治的志向をブログで公表していました。イスラム過激派はかなりの頻度でインターネットを利用しています。そこに過激主義を公表していれば、容疑対象になるのは時間の問題でした。

 彼が作ろうとしたトリニトロフェノールは比較的不安定で、TNTが発明されると爆薬には使われなくなった物質です。目的を達する前に爆発する危険もあるでしょう。また、化合する物質は化学会社から買う必要があり、そこで足がつく可能性が高く、実際にそうなったわけです。

 人形や乳母車、バックパックなどに入る爆薬では、核施設やダムは破壊できないでしょうし、ナイトクラブにバックパックを背負って入ろうとすれば、入り口で阻止されそうです。結局、彼が大きなテロ攻撃を成功させることはできなかったように思えます。



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